脊髄血管芽腫(hemangioblastoma)
・全髄内腫瘍の3%程度。
・境界明瞭で血管に富む腫瘍。
・WHO grade1に分類される良性腫瘍。
・発症年齢は30歳前後。
・主訴は感覚障害、運動障害など。無症状のこともあり。
・胸髄(50%)、頸髄(40%)で見られる。多発性の場合はvon Hippel Lindau病を考慮。
・2/3は髄内発生。
・2/3は単独に存在し、1/3はvon Hippel Lindau病を合併。
・症状は、運動感覚異常を初発に来たしやすい。また固有知覚障害を来たしやすい。
脊髄血管芽腫の画像診断
・びまん性の脊髄腫大、腫瘤はT1WIで等~低信号。T2WIでは典型的にはflow voidを含む高信号を示す。周囲の浮腫も見られる。
・造影MRIでは強く均一に増強される。(大きくなると不均一になる)
・腫瘍の上下に嚢胞を伴うことが多い(75%) 内容液はタンパク質に富み、腫瘍からの浸出液と考えられている。
・約半数で脊髄背側に拡張蛇行した血管が見られる。
・脊髄空洞症を高頻度で認める。
・時に、腫瘍内出血を呈して、周囲にヘモジデリン沈着を認める。
症例 40 歳代の男性。対麻痺。
2011年放射線科診断専門医試験問題9より引用。
胸髄のびまん性の腫大あり、造影MRIでは強く均一に増強される箇所あり。T1WIでは等信号、T2WIでは淡い高信号。周囲にはflow voidあり。上下はT2WIで高信号を示しており、嚢胞か。hemangioblastomaを疑う所見。
ご案内
腹部画像診断を学べる無料コンテンツ
4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。3000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。画像診断LINE公式アカウント
画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。
関連記事はこちら
