気管支カルチノイド(bronchial carcinoid)
- 神経内分泌腫瘍であり、全肺腫瘍の1%。
- 消化管カルチノイドと比較すると頻度は低い。
- 多くは中枢気道に発生する肺門型(80%)。20%は末梢に発生する。
- 発症年齢は40-50歳代。通常のLKより若い傾向あり。性差はなし。
- 定型的なものは、圧排増殖型の境界明瞭な球状の腫瘤を形成し、中枢側の気管支内腔内にポリープ状に発育するため、気管支閉塞に伴う臨床症状を示すことが多い。
- 肺のカルチノイドのうち、定型的カルチノイド(中枢側にできやすい)が80-90%で、非定型的カルチノイドが10-20%程度。
- 増大速度は遅く、悪性度の低い腫瘍。まれに転移する。悪性度の高いカルチノイドは異型カルチノイド(atypical carcinoid)とよばれる
- 予後は良好で、5年生存率は90%以上。
- 鑑別診断は、気管支に発生する腫瘍。
▶︎原発性悪性気管支腫瘍
- 扁平上皮癌
- 腺様嚢胞癌
- 腺癌
- 小細胞癌
- 粘表皮癌
- 他、腎癌、大腸癌の気管支転移
▶︎良性気管支腫瘍
- 乳頭腫
- 平滑筋腫
- 顆粒細胞筋芽腫
- 神経鞘腫
- 血管腫
- 線維腫
- 脂肪腫
- 軟骨腫
- 過誤腫
気管支カルチノイドの画像所見
- CTでは球状あるいは卵形の境界明瞭な腫瘤あるいは結節としてみられる。
- 内部に偏在性の石灰化を認めることがある。
- 丸い形状を示さない場合は、気管支や肺動脈に沿った細長い形状を示す。
- 比較的中枢側の気管支から発生し、それも気管支の分岐部近くに多い。
- しばしば気管支内に小結節を形成することあり。
- 腫瘍は血管に富み、造影CTやMRIで造影効果増強あり。
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