横隔膜損傷(破裂)

・全外傷の0.1%。胸腹部外傷の3-5%程度に見られる。

・通常腹部鈍的外傷に伴って起こる。

・腹腔内圧の上昇により、横隔膜に高い圧力がかかり、横隔膜が破裂する。

・腹腔内臓器が胸腔内に脱出し、緊急度が高い疾患。

左側横隔膜破裂が9割を占める。右側は肝臓で保護されているから。

・右側横隔膜破裂の診断は難しい事が多い。またヘルニアのない横隔膜破裂の診断も難しいことが多い。

▶︎日本外傷学会臓器損傷分類2008(横隔膜損傷)

  • Ⅰ型:挫傷(diaphragmatic contusion)
  • Ⅱ型:非全層性裂傷(non-transmural laceration)
  • Ⅲ型:全層性裂傷 (transmural laceration)
    a:横隔膜ヘルニアを伴なわない。(without diaphragmatic hernia)
    b:横隔膜ヘルニアを伴う。(with diaphragmatic hernia)

▶︎横隔膜損傷の4損傷形態

  • 横隔膜挙上症(diaphragmatic elevation)
  • 横隔膜裂傷(diaphragmatic tear)
  • 横隔膜破裂(diaphragmatic rupture)
  • 横隔膜ヘルニア(diaphragmatic hermia)

横隔膜損傷(破裂)の画像所見

・胸部単純X線にて、胃泡が横隔膜よりも上方へ移動、他の消化管も上方偏位することが特徴。

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。