VSRAD advance2
・VSRAD advance 2では、アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別診断を支援する参考指標が追加された。
・参考指標は「背側脳幹/内側側頭部の萎縮比(VOI間萎縮比)」である。
・DLBでは背側脳幹の灰白質および白質の萎縮がより目立つことが知られている。(Neurology 2012;79:553-560,Brain 2007;130:708-719,Neuroradiology 2013;55:559-566)
・ADでは内側側頭部の萎縮が目立つことが知られている。
・なので、背側脳幹の萎縮が、内側側頭部の萎縮よりも目立つ症例をDLBの可能性あり、とする。
・具体的には、Z score < 2 である認知症患者に対して、AD、DLBの鑑別を考慮するか否かを検討する際に
- 《灰白質》VOI間萎縮比= 《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度
- 《白質》VOI間萎縮比= 《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度
の値が共に、0.2以上のときに、DLBの可能性あり、とする。
この際に、DLBの正診率は7割程度。
この基準に当てはまる場合、DLBの可能性ありとして、さらなる検査(MIBG、ダットスキャンへ)と進む。
VSRAD ADVANCE 2の注意点
・Z score >2 にも、DLBのケースはあるが、ADとの鑑別は困難なことが多い。そのため、Z socre < 2の場合(内側側頭部の萎縮の程度が軽微な人)にこの比を参考にするようにする。
・あくまでAD、DLBの鑑別を考慮するか否かを検討する際に使う。
・VSRAD advanceと同様に50歳以上に使うことが推奨される。
VSRAD advanceの復習
・Z score >2 のときのADの正診率は91.6%(かそれ以下)。
・厳密なカットオフ値はない。
・50歳以上に使うことが推奨される。