先に結論:骨盤のリンパ節と傍大動脈リンパ節の場所
- 傍大動脈リンパ節は、おなかの腹部大動脈と下大静脈のまわり(腎臓の高さ〜大動脈の分岐部)にあるリンパ節で、子宮・卵巣・精巣・腎臓などのがんの転移先として重要です。骨盤のリンパ節より上(遠く)の段階になります
- 骨盤リンパ節は血管に沿って名前がつき、総腸骨リンパ節(総腸骨動静脈)、外腸骨リンパ節(外腸骨動静脈)、内腸骨リンパ節、閉鎖リンパ節(骨盤の壁の近く、閉鎖神経のそば)、仙骨リンパ節、基靱帯リンパ節、鼠径上リンパ節などがあります
- 子宮頸がん・前立腺がん・膀胱がん・直腸がんなどでは、閉鎖リンパ節や内・外腸骨リンパ節が最初の転移先になりやすく、手術で取る範囲(骨盤リンパ節郭清)の目安にもなります。CTではリンパ節の大きさや丸い形などで転移を疑いますが、大きさによる判定は精度に限界があり(前立腺癌のメタ解析ではCTの感度42%・特異度82%:Hövels 2008)、拡散強調像やPET/CTなどを組み合わせて評価することが多くなっています。
骨盤のリンパ節

子宮頸癌取扱い規約(第3版)を参考に作図。リンパ節の名称・区分は規約の現行版で確認してください。子宮頸癌のFIGO進行期分類(2018年改訂)では、後腹膜リンパ節を画像または病理で評価できるようになり、骨盤リンパ節のみの転移はIIIC1期、傍大動脈リンパ節転移はIIIC2期とし、画像による判定は「r」、病理による判定は「p」と記載します(Bhatla 2019)。前立腺癌では、高リスク例を対象とした無作為化試験(proPSMA)で、CTと骨シンチによる従来の画像診断に比べ、PSMA PET/CTの方が骨盤リンパ節転移・遠隔転移の診断精度が高い(92%対65%)と報告されています(Hofman 2020)。
傍大動脈リンパ節(para aortic node)
・腹部大動脈および下大静脈に沿うもの。
総腸骨動脈リンパ節(common iliac node)
・総腸骨動静脈に沿うもの。深外側(deep lateral)、浅外側(superficial lateral)、内側(medial)の3種に分かれる。
外腸骨リンパ節(external iliac node)
・外腸骨動脈の分岐部よりも下方で、外側あるいは、動静脈の間にあるもの。
内腸骨リンパ節(internal iliac node)
・内腸骨動脈と外腸骨動脈によって作られる、血管三角部にあるもの。
▶症例 80歳代男性 前立腺癌

鼠径上リンパ節(suprainguinal node)
・外腸骨動脈が鼠径靭帯下に入る直前のもの。
閉鎖リンパ節(obturator node)
・閉鎖孔に近く、外腸骨動脈の背側で閉鎖神経との間。骨盤壁に密着している。
▶40歳代 男性 直腸癌

仙骨リンパ節(presacral node)
・内腸骨動脈より内側で直腸間膜との間にあるもの。
基靭帯リンパ節(parametrial node)
・基靭帯に関係するもの。
鼠径リンパ節(inguinal node)
・骨盤の外、鼠径靱帯の下(太ももの付け根)で大腿動静脈のまわりにあるもの。皮膚のすぐ下の浅鼠径リンパ節と、大腿静脈に沿う深鼠径リンパ節に分かれる。外陰部・腟の下部・肛門・下肢のリンパが流れ込むため、外陰癌や肛門管癌などで重要。CTでは脂肪の中に正常でも小さなリンパ節がいくつも見えることが多く、形や左右差、内部の壊死などをあわせてみる。
実際の画像で確かめるには、画像診断cafeの腹部CTの正常解剖ツールで、スライスを動かしながら構造をタップすると名前が表示されます(無料・登録不要)。全体の見方は腹部CTの解剖にまとめています。
あわせて読みたい:腟癌・外陰癌のMRI所見とは?FIGO病期(外陰癌2021年版)の考え方とリンパ節の見方
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参考文献
- McMahon CJ, Rofsky NM, Pedrosa I. Lymphatic metastases from pelvic tumors: anatomic classification, characterization, and staging. Radiology. 2010;254(1):31-46. PubMed
- Paño B, Sebastià C, Ripoll E, et al. Pathways of lymphatic spread in gynecologic malignancies. Radiographics. 2015;35(3):916-45. PubMed
- Bhatla N, Berek JS, Cuello Fredes M, et al. Revised FIGO staging for carcinoma of the cervix uteri. Int J Gynaecol Obstet. 2019;145(1):129-135. PubMed
- Hofman MS, Lawrentschuk N, Francis RJ, et al. Prostate-specific membrane antigen PET-CT in patients with high-risk prostate cancer before curative-intent surgery or radiotherapy (proPSMA): a prospective, randomised, multicentre study. Lancet. 2020;395(10231):1208-1216. PubMed
- Hövels AM, Heesakkers RA, Adang EM, et al. The diagnostic accuracy of CT and MRI in the staging of pelvic lymph nodes in patients with prostate cancer: a meta-analysis. Clin Radiol. 2008;63(4):387-95. PubMed
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画像診断には全く関係のない一般人です。このプログラムを利用していて、デザイン、機能等、理解しやすいよう細かいところまで力を入れてられていて、とても素晴らしいと思います。今の人はこういうサイトがあるので幸せですね。もし今後、このソフトに加えて頂きたい機能があるとすれば、単なる興味本位ではあるかもしれませんが、表示しているCT輪切り画像が、正面立像のどのあたりにに位置(高さ)するのかが同時に表示される機能があれば素人には最高です。
お褒めのお言葉ありがとうございます。
>表示しているCT輪切り画像が、正面立像のどのあたりにに位置(高さ)するのかが同時に表示される機能があれば
仰るとおりこの機能があればよりよいものになります。
ただし、これを組み入れるには新たなプログラムが必要になりますので今後の課題とさせていただきます。
最近手が止まっていましたが、また続きをコツコツ作って行きたいと思います。