円形無気肺(round atelectasis)
- 肺が限局的に虚脱し、肥厚した臓側胸膜が肺側に折れ込んだもの。
- 胸水貯留によるものや胸膜の病変に関連することが多く、虚脱が残ってしまうもの。
- 原因は、結核性胸膜炎、アスベストーシス、石綿胸水、その他の非特異的胸膜炎などの胸膜病変後。
- 心不全や尿毒症による胸水貯留、胸部外傷でも起こることがある。
- 男性に多い傾向あり。
- 好発部位は、肺の背側側、傍脊椎領域、特にS10に多い。
- 両側のこともある。
円形無気肺の画像所見
- 円形あるいは類円形の腫瘤影を形成する。
- 胸膜肥厚を伴うことが多い。
- 胸水の既往があることが多い。
- 無気肺部に向かって近くの気管支と動脈が、弯曲するcomet-tail sign(彗星の尾に似ている)を認めることあり。
症例 80歳代男性
左下葉にcomet tail signを有する腫瘤影あり。経時的に変化を認めておらず、円形無気肺としてフォローされています。
この症例を動画でチェックする。
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