Osgood-Schlatter病
・10〜14歳の主に男児の発育期のスポーツ障害の代表的疾患。
・脛骨粗面に痛みや圧痛を有し、局所の腫脹を伴う。
・長期にスポーツ活動を休止せざるをえない場合もあるため、早期発見、早期安静保存療法が必要。
・受診時には、既に遊離骨片を有した終末期であることが多く、この場合は完全治癒が見込めない。
・腔骨粗面の骨化が終了すれば、症状は消退するが、遺残変形の強い場合はさらに長 期にわたり症状が遷延する場合がある。
画像診断
・単純X線写真で脛骨粗面部の不整像、軟骨性膨隆、遊離骨片が見られる場合は、診断が比較的容易。
・ただし、病初期は、レントゲンで脛骨粗面部の変化を捉えることは困難で、MRIが有用。
MRIの病期分類
・病期は初期(early stage)、進行期(progressive stage)、終末期(terminal stage)、治癒期(healing stage)に分類される。
・初期:正常もしくは、脛骨粗面周囲の浮腫像(STIRで高信号)。
・進行期:脛骨粗面の骨または軟骨の部分的剥離像を示す(脛骨粗面前方に明瞭な亀裂が入り、その前方部が上方に牽引され、貝殻状の剥離像を示す。)
・終末期:完全に分離した骨片の形成が成される(T2強調像では、骨片の低信号の周囲が高信号で描出される)。
・治癒期:発症後、骨性の治癒機転により骨片を形成せずに治癒したもの。
動画で学ぶOsgood病(終末期CT)
▶キー画像
治療
保存療法
・スポーツの休止。特にMRI上で骨片の形成が明らかでない場合は、終末期に移行させないために、保存療法をすすめる。
・骨片を形成せずに分離部が癒合すれば、1ヶ月強でスポーツを再開できる。
・骨片を形成した場合は、保存療法で痛みは軽快するが、違和感や痛みが長期間続く事が多い。
手術療法
・骨片周囲の炎症や滑液包炎などで疼痛が続く場合は、遊離骨片の摘出術が行なわれる。
特発性骨壊死とその関連疾患
発生部位 | 好発年齢など | ||
下肢 | Perthes病 | 大腿骨頭 | 3-12歳(男>>女) |
Osgood-Schlatter病 | 脛骨粗面 | 10-15歳(男>女) | |
Freiberg病 | 第2中足骨頭 | 10-15歳(女>>男) | |
Kohler病 | 舟状骨(足) | 4-5歳(男>女) | |
Sever病 | 踵骨 | 8-12歳(男>女) | |
上肢 | Kienbock病 | 月状骨 | 青壮年、手を使う職業(男>女) |
Preiser病 | 舟状骨(手) | 30-70歳、まれ(外傷が多い) |
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