Distal femoral cortical irregularity(DFCI)(大腿骨遠位皮質不整)
- corical desmoidあるいはavulsive cortical irregularityとも呼ばれる。
- 治療を要さないいわゆる”do not touch”lesionの代表。
- 腓腹筋内側頭は、大腿骨遠位の内側顆(medial condyle)直上に付着する。
- 特に10~15歳位では、この付着部の皮質が単純X線写真にて不整に見えたり、透亮像として認識されたりすることがある。
- 一般的に無症状で、他の理由で撮影された単純X線写真で偶然発見されることが多いが、まれに疼痛を生じる。
- 疼痛は腓腹筋内側頭の繰り返す牽引ストレスによると考えられている。
- 常に同じ部位に認めることから診断は容易。
- 疼痛がある場合は、MRIの脂肪抑制T2WI高信号やSTIRで高信号を呈することがあり、悪性腫瘍と誤認されたりする。
- しばしば両側性であるが、10~15歳をすぎると自然消失する。
症例 5歳男児 右足痛
引用:radiopedia
大腿骨骨幹端内側に2cm大の骨硬化の辺縁を有する明瞭な骨透亮像あり。
Distal femoral cortical irregularity(大腿骨遠位皮質不整)を疑う所見です。
症例 10歳女児 大腿骨遠位内側に疼痛
引用:radiopedia
腓腹筋内側頭が付着にする大腿骨骨端内側に沿って薄い硬化縁を伴う曲線を形成する部位あり。
Distal femoral cortical irregularity(大腿骨遠位皮質不整)を疑う所見です。
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