膵癌のMRI診断のポイントは?
脂肪抑制T1WI
- 脂肪抑制T1強調像が検出に有用とされ、低信号を呈する。(T2強調像では等〜高信号を示す。)
- しかし、膵癌は高頻度に主膵管を閉塞する結果、上流側の閉塞性慢性膵炎を起こし、T1強調像で信号は低下し、区別できないことも多い。
ダイナミックMRI
- 従って、MRIにおいても膵癌の診断にはダイナミックスタディが必須。ダイナミックにて膵癌と随伴性膵炎の鑑別が可能。
DWI
- 膵癌はDWIにて高信号、ADCで低信号となり、有用(T1WIより検出は容易で、腫瘤の検出率は9割を超える)。
- 上流の随伴性膵炎部もやや弱いが同信号を呈し境界不明瞭なことがある。
- アミラーゼ上昇を伴う随伴性膵炎と膵癌は同程度の信号パターンを呈し鑑別困難。
- 腫瘤形成性膵炎との鑑別は困難。ADC値が膵癌の方が高いと報告あるが。
CTとの棲み分けは?
- 多くの症例ではCTで検査は完結し、MRIが必要となるのは、膵癌が強く疑われるにも関わらず、CTで検出できない場合や、腫瘤形成性膵炎などとの鑑別が困難な場合。
膵癌のMRI診断 要点
- 脂肪抑制T1強調像で低信号。
- 随伴性膵炎との鑑別にはダイナミックMRI。 」膵癌はDWIにて高信号、ADCで低信号で有用だが、欠点もある。
動画で学ぶMRIでのみ分かりやすい膵癌
参考)画像診断2006年1月膵癌のCT/MRIによる検出、鑑別、病期診断 九州大学 入江裕之先生