頭蓋内出血では、活動性/持続性出血かどうかが、血腫増大や転帰、治療方針に直結します。

その評価に役立つ代表的サインとして Swirl sign(単純CT)Spot sign(造影CT/CTA) が知られています。

これらは脳実質内の血腫だけでなく、硬膜外血腫や硬膜下血腫など頭蓋内出血において用いられるサインです。

Swirl signとは(単純CT)

  • 活動性(持続性)出血を反映した領域である。血腫(高吸収)内部に、周囲より低吸収に見える部分が混在する所見を指す。
    その低吸収域は、血管外漏出したまだ凝固していない血液(hyperacute nonclotted hemorrhage)を反映すると解釈される。凝固している部分のCT値は通常50〜70HUを示す。
  • 高吸収血腫の中に「まだら」「渦巻き状」に低吸収域が混ざる。※swirl とは日本語で渦巻き。
  • 出血が進行中で、血腫が増大し得るリスクサインとされる。実際に、単純CTでのswirl signは血腫増大と関連することが報告されている。

症例 30歳代男性 転落

引用:radiopedia

右硬膜外血腫を認め左側への正中構造偏位を認める。

血腫内には渦巻きのような低吸収(swirl sign)を認め、活動性出血を示唆する所見です。

Spot signとは(造影CT/CTA)

  • 活動性(持続性)出血を反映した領域であり、造影CT(CTA)で血腫内に点状の造影剤集積(血管外漏出)として描出される所見で血腫増大の予測因子として知られ、spot signと呼ばれる。
  • CTAにおいて血腫内の「点状の増強(スポット)」として見られる。これは造影剤が血管外へ漏れている=現在進行形の出血を強く示唆する。

症例 90歳代女性 突然の左半身麻痺

引用:radiopedia

右基底核を中心とする脳実質内出血およびその周囲の浮腫を認め、脳室内に穿破しています。

CTAでは血腫内に高吸収なspot signを認め、血腫増大が今後示唆されます。

その後血腫は著明に増大しました(非提示、引用リンク先からご覧いただけます)。

Swirl signとSpot signの違い

項目 Swirl sign Spot sign
モダリティ 単純CT 造影CT/CTA
本質 血腫内の低吸収混在(未凝固血の混入) 血腫内の造影剤漏出(点状増強)
示唆 活動性出血の可能性、血腫増大リスク 活動性出血をより直接的に示唆、血腫増大リスク
強み 単純CTのみで評価可能(救急現場で汎用) 漏出を直接描出し予測性能が高い報告が多い
弱み 低吸収混在の解釈に迷う例がある 造影が必要、撮像条件/タイミングの影響あり

 

参考文献

  • Al-Nakshabandi NA. The swirl sign. Radiology. 2001;218(2):433.
  • Ng D, et al. The CT Swirl Sign Is Associated with Hematoma Expansion in Intracerebral Hemorrhage. AJNR Am J Neuroradiol. 2018;39(2):232-237. 
  • Schweitzer AD, et al. Traumatic Brain Injury: Imaging Patterns and Complications. RadioGraphics. 2019;39:1571-1595. 
  • Wada R, et al. CT angiography “spot sign” predicts hematoma expansion in acute intracerebral hemorrhage. Stroke. 2007. 
  • Guo C, et al. Swirl sign in traumatic acute epidural hematoma. (PubMed)

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