肺結核は多くは二次性結核という形で発症します。ただし近年は、一次結核・二次結核という時間経過による分け方が見直され、画像所見は感染からの時間よりも宿主の免疫状態に左右されると考えられています。免疫が低下した患者では、粟粒型や一次結核型、非典型的な所見が多くなります。
CT画像検査では、気管支肺炎のパターンを示し、
- 粒が小さく明瞭な小葉中心性の粒状影
- tree-in-bud appearance
という形で見えることが多いとされます。さらに排菌と強く関与する
- 空洞形成
も肺結核のレントゲンやCT画像検査では重要です。
これらの所見を認めた場合に「結核かもしれない」と思えることが重要です。活動性肺結核41例のCT検討では、径2〜4mmの小葉中心性の粒状影・分岐状影が95%と最も多くみられ、その多くは治療開始後5か月以内に消失したと報告されています。小さな気道とその周囲の病変が、早期の活動性結核の最も特徴的な所見です。
そこで今回は、実際の肺結核のCT画像を見ながらどの辺が結核の特徴なのかを目に焼き付けていただきたく、結核のCT画像を集めました。
先に結論:肺結核のCTの特徴
- 大人の肺結核の多くは、昔の感染が再び活動する二次結核で、肺の上の方(上葉のS1・S2、下葉のS6)に多く見られます
- CTの典型像は、小さくはっきりした小葉中心性の粒状影と、木の枝に芽がついたようなtree-in-bud(分岐状の影)、そして空洞です。空洞があると菌を多く出していることが多く、周りへの感染に注意が必要です
- 画像だけでは非結核性抗酸菌症などと区別が難しいため、喀痰の抗酸菌検査(塗抹・培養・PCR)で確定します。「結核かもしれない」と画像で気づくことが感染拡大を防ぐ第一歩です
- 治ったあとの陳旧性(古い)結核は、石灰化した結節・線状影・索状影・肺の容積減少が中心で、活動性結核の粒状影や空洞とは見え方が違います
※2週間以上続くせき・痰・微熱・体重減少があるときは、早めに受診してください。
目に焼き付けたい肺結核のCT画像集
小葉中心性粒状影・tree-in-bud appearance
まずは、小葉中心性粒状影・tree-in-bud appearanceが目立つ症例から見ていきましょう。
症例1 40歳代 男性

右肺S2に浸潤影及び周囲に小葉中心性の粒状影を認めています。
この際に、所見が軽微なところに着目するのがポイントです。
粒の小さな小葉中心性の分布を示し、tree-in-bud appearanceも見える。

上の図のように所見が軽微なところに着目すると粒の小さな小葉中心性の分布を示し、tree-in-bud appearanceも見えますね。
症例2 40歳代 男性

続いて2症例目です。
先ほどの症例と同じように右上葉にtree-in-bud appearance及び小葉中心性の粒状影を認めています。
その様子はサルコイドーシスで認められることがあるGalaxy sign様でもあり、先ほどの症例よりより細かいですね。
症例3 80歳代 男性

続いて3症例目です。
この症例も、粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めています。
末梢では、すりガラス影からコンソリデーションを認めており、結核性肺炎を疑う所見です。
空洞性病変
基本は小葉中心性の粒状影です。
続いて、排菌と関与がある空洞性病変を示す症例を見ていきましょう。
症例4 30歳代 女性

両側上葉、右下葉S6に空洞性病変を認めています。
上で認めたような粒の小さな小葉中心性の粒状影やtree-in-bud appearanceは認められません。
こういった所見からTbの可能性を鑑別に挙げて抗酸菌の検査をすることが重要ですね。
PCRにてTbと診断されました。
症例5 40歳代 男性

粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めており、Tbを疑う所見です。
この症例ではさらに、air bronchogramを呈するコンソリデーションを認めており、その内部や外部にも複数空洞性病変を認めています。
結核性肺炎を疑う所見です。
症例6 50歳代 男性

この症例も粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めており、結核を疑う所見です。
上の症例と同じように、壁の厚い空洞性病変を左肺下葉のS6に認めています。
症例7 30歳代 女性

この症例は、所見が他の症例よりも非常に強いですね。
やや他の症例よりも粒の大きめな小葉中心性の結節を特に左肺ではびまん性に認めており、一部random patternを認めています。ですので粟粒結核もあると考えられます。
この症例が特徴なのは右優位に認める粗大な空洞性病変ですね。
活動性結核と陳旧性結核のCTの違い
CTは結核の活動性の判断に役立ちます。病理では、活動期は乾酪性肉芽腫や肺炎、非活動期は線維化と石灰化に対応します(Lee 2000)。
| 活動性結核 | 陳旧性(非活動性)結核 | |
|---|---|---|
| 主な所見 | 小葉中心性粒状影・tree-in-bud、小葉性の浸潤影、空洞、気管支壁肥厚 | 石灰化した結節や浸潤影、不整な線状影、索状影、瘢痕周囲の気腫 |
| 経過 | 治療で小葉中心性病変の多くは5か月以内に消える(Im 1993) | 過去画像と比べて変化しない |
再燃した結核12例中11例で、CTは古い線維性病変と新しい活動性病変をはっきり区別できました(Im 1993)。陳旧性結核のある人に新しい粒状影や空洞が出てきたら、再燃を考えて抗酸菌検査を行います。
胸部レントゲン(X線)での肺結核の特徴
- 二次結核では、上肺野(肺尖部〜鎖骨の上下)や下葉上部(S6)の斑状影・結節影・空洞が典型です。
- 一次結核では、区域〜肺葉の均一な浸潤影に肺門・縦隔リンパ節の腫大を伴うことがあります(Lee 2000)。粟粒結核では両肺にびまん性の細かい粒状影が見られます。
- 胸部X線写真が正常またははっきりしない場合でも、CTで結核の所見が見つかることがあります(Jeong 2008)。
最後に
今回は実際に肺結核と診断された症例を集めました。
免疫状態によっても多彩な所見を示すことがある肺結核ですが、まずは基本となる特徴的な画像を目に焼き付けることが重要です。
ぜひ診療に役立てて頂ければ幸いです。
参考文献
- Im JG, Itoh H, Shim YS, et al. Pulmonary tuberculosis: CT findings–early active disease and sequential change with antituberculous therapy. Radiology. 1993;186(3):653-660. PubMed
- Nachiappan AC, Rahbar K, Shi X, et al. Pulmonary Tuberculosis: Role of Radiology in Diagnosis and Management. Radiographics. 2017;37(1):52-72. PubMed
- Nakamoto K, Sasaki Y, Kokuto H, et al. Multi-drug-resistant tuberculosis with galaxy and cluster signs on high-resolution computed tomography. Respirol Case Rep. 2018;6(8):e00369. PubMed
- Jeong YJ, Lee KS. Pulmonary tuberculosis: up-to-date imaging and management. AJR Am J Roentgenol. 2008;191(3):834-44. PubMed
- Rossi SE, Franquet T, Volpacchio M, et al. Tree-in-bud pattern at thin-section CT of the lungs: radiologic-pathologic overview. Radiographics. 2005;25(3):789-801. PubMed
- Lee JY, Lee KS, Jung KJ, et al. Pulmonary tuberculosis: CT and pathologic correlation. J Comput Assist Tomogr. 2000;24(5):691-8. PubMed
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