先に結論:胆管細胞癌(肝内胆管癌・CCC)とは

  • 胆管癌のうち、肝臓の中の細い胆管から発生するものが肝内胆管癌(胆管細胞癌、略してCCC)です。肝臓の外の胆管(肝門部・遠位胆管)にできるものは肝外胆管癌と呼んで区別します
  • 原発性肝癌では肝細胞癌(HCC)に次いで2番目に多いがんで、肝内結石・原発性硬化性胆管炎など胆管の慢性炎症や、肝炎ウイルスとの関連が知られています
  • 形から腫瘤形成型・胆管浸潤型・胆管内発育型に分けられます。最も多い腫瘤形成型は、ダイナミックCT・MRIで早期相にふちがリング状に染まり、時間とともに中心が遅れて染まる(線維が多いため)のが特徴で、大腸癌などの肝転移と似ることがあります

胆管細胞癌(肝内胆管癌)(CCC:cholangiocellular carcinoma)

  • 原発性肝癌のなかでHCCに次いで2番目に多い(Chung 2009)。
  • 男性にやや多い。
  • B型・C型肝炎ウイルス感染や肝硬変も危険因子とされる。メタ解析では、肝硬変・B型肝炎・C型肝炎のほか、飲酒・糖尿病・肥満も危険因子とされた(Palmer 2012)。
  • 胆管の慢性炎症を起こす肝内結石、肝吸虫症、原発性硬化性胆管炎との合併あり。

胆管細胞癌の分類

組織学的分類

  • small duct type:腫瘤形成型がほぼ全例。
  • Large duct type:胆管周囲浸潤型、または腫瘤形成型との混合型が多い。

※両者は遺伝子異常の傾向も異なる。Large duct typeは肝外胆管癌に類似。

肉眼分類

3つ。2つの型をあわせ持つこともある。

  1. 腫瘤形成型(mass forming):最も多い
  2. 胆管浸潤型(periductal infiltrating)
  3. 胆管内発育型(intraductal growth):少ない

発生部位では、肝門型と末梢型の2型がある。(WHO2019ではsubtypeと記載されている。small duct typeとlarge duct typeに分類されsmall duct typeは肝末梢に腫瘤形成型として認められることが多い。large duct typeは、肝門側に胆管周囲増殖型もしくは胆管周囲増殖+腫瘤形成型として認められることが多い。)

関連記事:肝内胆管癌の治療法、Small Duct TypeとLarge Duct Typeとは?画像診断のポイントは?

①腫瘤形成型(mass forming)

  • 比較的境界明瞭な腫瘤を形成。
  • CTでは、ふちが不整に染まる低吸収の腫瘤として見え、肝被膜の陥凹(capsular retraction)・衛星結節・腫瘤より末梢の胆管拡張を伴うことがある(Chung 2009)。
  • 辺縁に腫瘍細胞の密度が高く、中心部は線維性間質が豊富な傾向にある。被膜は形成しない。
  • 早期相では辺縁がリング状に染まり、豊富な線維性結合織を反映して、漸増性に中心部が造影増強される。
  • 線維性間質が豊富な場合は中心部でT2WI/DWI低信号となる。内部壊死がある場合はT2WI/DWI高信号となる。
  • 腫瘤形成型では、乏血性のことが多く、遷延性濃染を来すため、大腸癌などの他の腺癌による肝転移と画像所見が類似する。肝細胞特異性造影剤を用いたMRIの肝細胞相や拡散強調像の所見は、肝内胆管癌と肝細胞癌の鑑別に重要とされる。また、動脈相の目立つ濃染や遅延相の濃染の程度は、予後を示す画像バイオマーカーとなる可能性が報告されている(Seo 2017)。
  • 腫瘍内を血管が貫通することがあり、悪性リンパ腫と鑑別が問題になることがある。
(参考)腫瘤内血管貫通の鑑別
  • 悪性リンパ腫
  • 胆管細胞癌
  • 瀰漫性肝細胞癌
  • Glisson鞘浸潤性の転移
  • 限局性脂肪肝

腫瘤形成型の肝内胆管癌のCT画像所見

肝S7に早期相でリング状に濃染され、徐々に内部に造影効果を認めている腫瘤を認めています。

②胆管浸潤型(periductal infiltrating)

  • Glisson内を浸潤性に発育し、典型的な場合は樹枝状の形態を呈する。
  • 限局性肝内胆管拡張のみが異常所見としてとらえられることがある。
  • CT・MRIでは、胆管に沿ったびまん性の壁肥厚と造影増強、拡張または不整に狭くなった胆管として見える(Chung 2009)。
  • 胆管浸潤型や腫瘤形成型+胆管浸潤型の混合型はLarge duct typeの特徴。
  • 肝門部に近い胆管より発生→診断は容易。
  • 末梢胆管に発生→境界不明瞭で診断は困難。
  • 組織学的な進展範囲は画像でとらえられるよりも広い。

③胆管内発育型(intraductal growth)

  • 頻度は少ない。
  • 胆管上皮から内腔へと乳頭状発育を来し、手術後の経過は腫瘤形成型より良好とされる(Yamamoto 2011)。

あわせて読みたい:胆管癌に似た良性の胆管狭窄、胆道癌取扱い規約(2013)のポイント

参考文献

  1. Chung YE, Kim MJ, Park YN, et al. Varying appearances of cholangiocarcinoma: radiologic-pathologic correlation. Radiographics. 2009;29(3):683-700. PubMed
  2. Palmer WC, Patel T. Are common factors involved in the pathogenesis of primary liver cancers? A meta-analysis of risk factors for intrahepatic cholangiocarcinoma. J Hepatol. 2012;57(1):69-76. PubMed
  3. Banales JM, Marin JJG, Lamarca A, et al. Cholangiocarcinoma 2020: the next horizon in mechanisms and management. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2020;17(9):557-588. PubMed
  4. Joo I, Lee JM, Yoon JH. Imaging Diagnosis of Intrahepatic and Perihilar Cholangiocarcinoma: Recent Advances and Challenges. Radiology. 2018;288(1):7-13. PubMed
  5. Seo N, Kim DY, Choi JY. Cross-Sectional Imaging of Intrahepatic Cholangiocarcinoma: Development, Growth, Spread, and Prognosis. AJR Am J Roentgenol. 2017;209(2):W64-W75. PubMed
  6. Yamamoto M, Ariizumi S. Surgical outcomes of intrahepatic cholangiocarcinoma. Surg Today. 2011;41(7):896-902. PubMed

画像診断を無料で学べるコンテンツ

腹部画像診断を症例で学ぶ
無料講座

腹部画像診断を症例で学ぶ

4日に1回、朝6時に症例が届き、実際に画像をスクロールして読影する講座です。90症例以上・1年以上続く講座で、医師・医学生・放射線技師・看護師など10,000名以上が参加中です。

講座に参加する(無料) →
胸部レントゲンの正常解剖を31日で
無料講座

胸部レントゲンの正常解剖を31日で

1日3分、全31日で胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学ぶ参加型の講座です。全日程に簡単な動画解説が付いています。

講座に参加する(無料) →
画像診断LINE公式アカウント
登録特典あり

画像診断LINE公式アカウント

新しい企画やモニター募集のお知らせを配信しています。登録すると特典として、脳の血管支配域のミニ講座に無料で参加できます。

LINEで友だち追加 →