胆管細胞癌(肝内胆管癌)(CCC:cholangiocellular carcinoma)

  • 原発性肝癌の3.6%を占め、HCCに次いで2番目に多い。
  • 男性にやや多い。
  • HCVとの関連が深いといわれる。
  • 胆管の慢性炎症を起こす肝内結石、肝吸虫症、原発性硬化性胆管炎との合併あり。

胆管細胞癌の分類

組織学的分類

  • small duct type:腫瘤形成型がほぼ全例。肝内転移が40%。
  • Large duct type:腫瘤形成型が30%、胆管周囲浸潤型が15%、混合型が55%。リンパ節転移が55%。

※遺伝子的に両者は全く異なる。Large duct typeは肝外胆管癌に類似。

肉眼分類

3つ。2つの型を持つことが多い。

  1. 腫瘤形成型(mass forming):70%
  2. 胆管浸潤型(periductal infiltrating) :10%
  3. 胆管内発育型(intraductal growth):4%

発生部位では、肝門型の末梢型の2型がある。(WHO2019ではsubtypeと記載されている。small duct typeとlarge duct typeに分類されsmall duct typeは肝末梢に腫瘤形成型として認められることが多い。large duct typeは、肝門側に胆管周囲増殖型もしくは胆管周囲増殖+腫瘤形成型として認められることが多い。)

関連記事:肝内胆管癌の治療法、Small Duct TypeとLarge Duct Typeとは?画像診断のポイントは?

①腫瘤形成型(mass forming)

  • 比較的境界明瞭な腫瘤を形成。
  • 辺縁に腫瘍細胞の密度が高く、中心部は線維性間質が豊富な傾向にある。被膜は形成しない。
  • 早期相では辺縁がリング状に染まり、豊富な線維性結合織を反映して、漸増性に中心部が造影増強される。
  • 線維性間質が豊富な場合は中心部でT2WI/DWI低信号となる。内部壊死がある場合はT2WI/DWI高信号となる。
  • 腫瘤形成型では、乏血性のことが多く、遷延性濃染を来すため、大腸癌などの他の腺癌による肝転移と画像所見が類似する。
  • 腫瘍内を血管が貫通することがあり、悪性リンパ腫と鑑別が問題になることがある。
(参考)腫瘤内血管貫通の鑑別
  • 悪性リンパ腫
  • 胆管細胞癌
  • 瀰漫性肝細胞癌
  • Glisson鞘浸潤性の転移
  • 限局性脂肪肝

腫瘤形成型の肝内胆管癌のCT画像所見

肝S7に早期相でリング状に濃染され、徐々に内部に造影効果を認めている腫瘤を認めています。

②胆管浸潤型(periductal infiltrating)

  • Glisson内を浸潤性に発育し、典型的な場合は樹枝状の形態を呈する。
  • 限局性肝内胆管拡張のみが異常所見としてとらえられることがある。
  • 胆管浸潤型や腫瘤形成型+胆管浸潤型の混合型はLarge duct typeの特徴。
  • 肝門部に近い胆管より発生→診断は容易。
  • 末梢胆管に発生→境界不明瞭で診断は困難。
  • 組織学的な進展範囲は画像でとらえられるよりも広い。

③胆管内発育型(intraductal growth)

  • 頻度は胆管細胞癌全体の4%と少ない。
  • 胆管上皮から内腔へと乳頭状発育を来すため、①②よりも予後は良好。

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