comet tail sign(コメットテイルサイン)は、胸膜直下に発生した限局性無気肺(round atelectasis)において特徴的に見られるCT所見です。

腫瘍と混同されることもあるため、胸膜肥厚や胸膜疾患の既往がある患者では特に注意が必要です。

comet tail signの定義と画像的特徴

定義:以下の所見の組み合わせを指します。

  • 胸膜直下に円形の無気肺(round atelectasis)
  • その中心に向かって収束する索状陰影(血管・気管支)
  • 胸膜肥厚や癒着をしばしば伴う

これらが彗星の尾のように見えることから命名されました。

論文から学ぶ:comet tail signの初出と信頼性

この所見は、Partap VAらによる1999年の報告で初めて命名されました:Partap VA, Mohan S, Katariya S. The comet tail sign. Radiology. 1999;213(2):553–554.

comet tail sign(コメットテイルサイン)のCT所見

  • 肺の一部が萎縮して円形に(無気肺)
  • その中心に向かって索状陰影(血管や気管支)が集まる
  • 周囲に胸膜肥厚がある

症例

引用:radiopedia

左側の限局性の胸膜直下無気肺があり、隣接する気管支血管束を引っ張っており円形無気肺によるcomet-tail signを疑う所見です。

鑑別診断

  • 典型例: 円形無気肺(Round atelectasis)
  • 鑑別疾患: 肺腫瘍(特に辺縁部肺癌)、胸膜播種、感染性結節

鑑別のコツ: 悪性疾患では血管の引き込み像に類似することがあり注意が必要。

関連記事:円形無気肺とは?CT画像診断のポイントは?

読影時の注意点(Pitfall)

  • comet tail sign=必ずしも良性とは限らない
  • 経過観察やPET/CTなどを併用し鑑別

まとめ

項目 内容
所見名 comet tail sign(彗星の尾サイン)
主な原因疾患 円形無気肺
観察ポイント 索状陰影が無気肺に収束、胸膜肥厚を伴う
鑑別疾患 肺癌、胸膜播種、感染性結節
好発部位 下葉・胸膜直下

 

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