滑液包(Bursae)とは?
滑液包は、腱や関節包、骨、筋肉、靱帯など様々な2つの接する構造の間に存在し、液体貯留腔として存在し内側には滑膜がある。
肩関節で認める滑液包
肩関節で認める主な滑液包は、
- 肩峰下滑液包〜三角筋下滑液包(Subacromial-subdeltoid bursa):両者は交通あり。
- 烏口突起下の烏口下滑液包(Subcoracoid bursa)。
- 肩甲下筋の上方で関節包と交通がある肩甲下滑液包(Subscapular bursa)
- 烏口突起の上側で、烏口鎖骨靱帯部に存在する烏口上滑液包(Coracoclavicular bursa(Supracoracoid bursa))
- 肩峰の上に存在する肩峰上滑液包(Supraacromial bursa)
がある。
滑液包同士および滑液包と関節包の交通
- 肩峰下滑液包および三角筋下滑液包に交通があることは有名で、「肩峰下滑液包〜三角筋下滑液包に液貯留あり」などとしばしば記載される。
- 肩峰下滑液包と烏口下滑液包には11%程度で交通ありと報告あり。
- 関節包と交通がある滑液包は肩甲下滑液包、結節間溝部の長頭筋腱周囲滑液包の2箇所が知られている。
交通のある滑液包と関節包のみ取り出すと下のような関係がある。
症例 60歳代女性
肩甲下滑液包、三角筋下滑液包、結節間溝部および腋窩嚢に関節液を認めています。
また肩甲下滑液包にも認めています。
肩甲下滑液包と烏口下滑液包の鑑別
肩甲下滑液包と烏口下滑液包の鑑別には斜矢状断像が有用。
症例 60歳代女性
肩甲下滑液包と烏口下滑液包の違い。
肩甲下滑液包の斜矢状断像と横断像の位置関係。
肩甲下滑液包の斜冠状断像と横断像の位置関係。
烏口下滑液包の斜矢状断像と横断像の位置関係。
参考文献: