左右の肝管が肝門部で合流する際に、複数の亜型があり、(広義の)副肝管と呼ばれます。
副肝管の一部には、腹腔鏡下胆嚢摘出術時に術前に把握しておかないと、手術により合併症を起こすものもあるため、注意が必要です。
今回は、副肝管、異所性肝管についてまとめました。
肝門部胆管の合流形式(広義の副肝管)
肝門部胆管の合流形式には以下のものが知られています。
最も頻度が高く一般的なのがAのタイプで、右前枝と右後枝が合流したあとで、左枝と合流するものです。
このタイプのMRCPの画像を見てみましょう。
症例 50歳代男性
右前枝と右後枝が合流したあとで、左枝と合流している様子がわかります。
術前に把握しておくべき副肝管
さて、腹腔鏡下胆嚢摘出術時に術前に把握しておかないと、手術により合併症を起こすことがあるのが、上の図のCのタイプである後枝独立合流型です。
このタイプのMRCPを見てみましょう。
症例 50歳代女性
後区域枝が前区域枝と合流せずに単独で総肝管に合流している様子がわかります。
このタイプは腹腔鏡下胆嚢摘出術時前に把握しておかないと、後区域の胆管を誤って切除してしまうことがあるので注意が必要です。
参考:
- 日獨医報 第58巻 第1号 2013 P232-233
- 肝門部胆管合流形式の検討