軟骨芽細胞腫(chondroblastoma)
- 骨端部に好発する稀な良性腫瘍。他、骨端部に発生する腫瘍としては、骨巨細胞腫が有名。
※骨巨細胞腫との鑑別は年齢および、辺縁が明瞭である点。 - 軟骨芽細胞の増生を示す。多核巨細胞および軟骨基質を含む。
- 5-25歳代に多い。
- 男女比は2:1で男性に多い。
- 多発性は10%。
- 大腿骨、脛骨、上腕骨近位部、手根骨、足根骨に多い。
- 関節痛で発症することが多い。
軟骨芽細胞腫の画像所見
- 単純X線で、骨端に硬化縁を伴う類円形の透亮像(地図状の骨破壊像)として見られる。
- 骨膜反応を示すことはあるが、悪性腫瘍のような不整な像ではない。
- 石灰化は25%程度の症例で見られる。小点状の石灰化像を示す。
- MRIでは、腫瘍はT1WI低信号、T2WI低信号〜高信号(軟骨成分を反映)の不均一な信号。嚢胞変性を伴うことあり。二次的なaneurysmal bone cystを伴うことあり。またfluid-fluid levelを認めることもある。
- 周囲にはSTIRや脂肪抑制T2WIで高信号を示す反応性浮腫を伴うことあり。この変化は骨端線を超えることあり。
- 骨シンチで集積をきたす。
周囲にSTIRや脂肪抑制T2WIで高信号を示す良性病変
腫瘤内部にfluid-fluid levelを伴った嚢胞性病変の鑑別
- 軟骨芽細胞腫
- 骨巨細胞腫
- 動脈瘤様骨嚢腫
- 骨折を伴った骨嚢腫
- 血管腫
骨シンチで集積増加を示す良性腫瘍
症例 10歳代男性
引用:radiopedia
大腿骨遠位端に骨端線を横切る境界明瞭な骨透亮像あり。T1WIで低信号,T2WI,脂肪抑制T2WIで低信号・一部高信号で、脂肪抑制T2WI高信号では周囲に骨髄浮腫を伴う。
手術が施行され軟骨芽細胞腫(chondroblastoma)と診断されました。