先に結論:線維性骨異形成のCT・MRI

  • 線維性骨異形成は、骨の中が未熟な骨と線維組織に置きかわる良性の病気で、肋骨・頭蓋骨・顔面骨・大腿骨に多いです(Kushchayeva 2018)。多くは1か所(単骨性)ですが、多発してMcCune-Albright症候群の一部のこともあります
  • CTが最も診断に役立ち、骨がふくらみ、中が均一なすりガラス状に見えるのが特徴です。皮質の破壊や骨膜反応がない点が悪性腫瘍との違いです
  • MRIでは信号が多彩で造影もされるため腫瘍と紛らわしいことがあり、CTと合わせて判断します。多くは経過観察で、変形・骨折・神経の圧迫があれば手術を検討します

線維性骨異形成症(FD:Fibrous dysplasia)

  • 比較的頻度の高い良性の骨疾患で、腫瘍というよりは、線維増殖を伴う骨形成不全。
  • 骨髄腔をvascular fibrocellular tissue が置換していく。
  • 単骨性は偶然見つかることが多い。多骨性はふつう幼少期に診断され、骨病変の多くは10歳までに目立つようになり、15歳以降に新しい病変はほとんど出ない(Kushchayeva 2018)。
  • 大多数が単骨性(monostotic)で(AFIPの501例では427例、Kransdorf 1990)、残りが多骨性(polyostotic)である。単骨性が多骨性やMcCune-Albright症候群に移ることはなく、自然に消えることもない(Kushchayeva 2018)。
  • 単骨性は肋骨、頭蓋骨、大腿骨に多く、多骨性では頭蓋骨、下顎骨、骨盤骨、大腿骨に多い(Kushchayeva 2018)。
  • 頭蓋顔面骨の病変では脳神経の圧迫症状を来すことがある
  • 思春期早発、内分泌異常、カフェオレ斑などの皮膚異常を伴うMcCune-Albright症候群の一つの兆候としてみられることあり。FDとMcCune-Albright症候群は、GNAS遺伝子の体細胞性の機能獲得型変異による一連の疾患スペクトラムである(Javaid 2019)。FD病変は年齢とともに組織像・画像所見・臨床像が変化し、頭蓋顔面のFDが最も多く管理も難しい病型とされる。
  • また、筋肉内粘液腫を伴うことがあり、Mazabraud症候群と呼ばれる(Kushchayeva 2018)。
  • 治療は通常は経過観察。ただし、顔面の変形や骨折・変形に対して手術(形成外科・整形外科)の対象となることもある。

肋骨の線維性骨異形成

  • 肋骨は単骨性FDの好発部位のひとつ(Kushchayeva 2018)。
  • 肋骨がふくらんですりガラス状になるのが典型。多骨性で拡散強調像で拡散制限を示す病変は、悪性化を除外するため追加の評価が必要とされる(Kushchayeva 2018)。

似た名前の病気との違い

病名 特徴
線維性骨異形成(fibrous dysplasia) GNAS遺伝子変異による。骨髄が線維骨性組織に置きかわり、CTですりガラス状(Javaid 2019, Kushchayeva 2018)
骨線維性異形成(osteofibrous dysplasia) まれ(原発性骨腫瘍の約0.2%)。脛骨の骨幹中央の皮質内に多く、アダマンチノーマとの区別が問題になる(Liu 2024)
骨化性線維腫(ossifying fibroma) 顎骨の線維骨性病変としてFDと並んで多く、画像・組織像が重なって区別が難しいことがある(Jot 2024)

線維性骨異形成症の画像所見

  • CTが最も診断に有効とされ(Kushchayeva 2018)、骨の肥厚とすりガラス状の変化が特徴的である。嚢胞性変化を伴うこともある。
  • 骨皮質は内側から薄くなることがあるが、外側の輪郭はなめらかに保たれ、骨膜反応は病的骨折がない限りみられない。この点が悪性腫瘍と異なるところ(Kushchayeva 2018)。
  • 病変の辺縁にはしばしば厚い硬化縁(rind sign)を伴う(Kushchayeva 2018)。
  • MRIではT1強調像で低〜中等度、T2強調像で中等度〜高信号を示すことが多く、骨梁・線維・細胞の量や嚢胞・出血の有無で信号が変わるため、低信号の中に等〜高信号が混在するなど不均一になる。造影効果もみられる(Kushchayeva 2018)。
  • 骨シンチでは高集積をきたし、病変の広がりを調べるのに使われる(Kushchayeva 2018)。
症例 40歳代女性

Fibrous dysplasia

肥厚・膨隆した斜台の内部は、比較的無構造な信号上昇を示すすりガラス影を呈し、FDが示唆される。MRIでは、T2WIにて低信号の内部に高信号の混在を認める。

参考文献

  1. Kransdorf MJ, Moser RP, Gilkey FW. Fibrous dysplasia. Radiographics. 1990;10(3):519-537. PubMed
  2. Fitzpatrick KA, Taljanovic MS, Speer DP, et al. Imaging findings of fibrous dysplasia with histopathologic and intraoperative correlation. AJR Am J Roentgenol. 2004;182(6):1389-1398. PubMed
  3. Javaid MK, Boyce A, Appelman-Dijkstra N, et al. Best practice management guidelines for fibrous dysplasia/McCune-Albright syndrome: a consensus statement from the FD/MAS international consortium. Orphanet J Rare Dis. 2019;14(1):139. PubMed
  4. Kushchayeva YS, Kushchayev SV, Glushko TY, et al. Fibrous dysplasia for radiologists: beyond ground glass bone matrix. Insights Imaging. 2018;9(6):1035-1056. PubMed
  5. Liu R, Tong L, Wu H, et al. Osteofibrous dysplasia: a narrative review. J Orthop Surg Res. 2024;19(1):204. PubMed
  6. Jot K, Sharma P, Sood A, et al. Exploring mutations: GNAS and CDC73 in jaw fibroosseous lesions. Pathol Res Pract. 2024;263:155624. PubMed

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