喫煙により肺はさまざまな変化を来します。

それは大きく

  • 炎症
  • 破壊
  • 線維化

に分けられますが、それらは混在し複雑に関連しています。

そのほか、肺癌のリスクにもなります。

今回は喫煙が関連する肺疾患(喫煙関連肺疾患)についてまとめました。

先に結論:CPFE・AEFとは(喫煙関連肺疾患)

略語 日本語 ポイント
CPFE 気腫合併肺線維症
(Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema)
CTで上の肺に肺気腫、下の肺に間質性肺炎(線維化)。喫煙歴のある60歳代の男性に多い。肺活量などは一見正常に近いのに、拡散能(DLCO)が下がり息切れが出る。肺高血圧・肺がんを合併しやすい
AEF 気腫性変化を伴う線維化
(Airspace Enlargement with Fibrosis)
CTで胸膜の少し内側に集まる薄い壁の小さな嚢胞。喫煙者に多い

喫煙はこのほか、肺気腫(小葉中心性)・呼吸細気管支炎(RB-ILD)・剥離性間質性肺炎(DIP)・ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)・肺がんの原因になります。

喫煙関連肺疾患(smoking-related lung disease:SRLD)の分類

喫煙関連肺疾患

喫煙関連肺疾患は上記のように

があります。

これらは、炎症、破壊、線維化という観点から以下のように複雑に関連しています。

2)より引用改変

喫煙による肺気腫

  • 過去の高度喫煙率を反映
  • 小葉中心性肺気腫
  • 肺癌のハイリスク状態
  • 他の疾患の形状を修飾-肺癌、肺炎(swiss cheese appearance)、肺水腫
  • 肺気腫+間質性肺炎=combined pulmonary fibrosis and emphysema(CPFE)

AEFとは?

  • airspace enlargement with fibrosisの略。
  • 「肉眼的に薄壁多発性嚢胞または、網状病変、組織学的には気腫性変化を伴う線維化」と定義される。
  • 胸部CTでは胸膜よりやや内層を主体に集簇する多発薄壁嚢胞が典型的。肺癌切除肺の検討では、AEFは軽度喫煙者の6.5%、中等度喫煙者の17.7%にみられ、下葉優位でした。AEF単独では術後呼吸不全はみられなかった一方、UIP様病変を伴う例では術後呼吸不全がみられており、AEFの嚢胞をUIPの蜂巣肺と見誤らないことが重要です。
症例 80歳代男性

AEFのCT画像

左下葉に、多発薄壁嚢胞あり。

AEFを疑う所見です。

CPFEとは?

  • combined pulmonary fibrosis and emphysemaの略。日本語で言うと、気腫合併肺線維症。2022年のATS/ERS/JRS/ALAT研究声明では、CPFEを肺線維症と気腫が併存し、肺高血圧・肺癌・死亡のリスクが高い「症候群」として位置づけることが提案されました。
  • 大部分が喫煙歴のある男性で、60歳代に多い。
  • 上肺野:肺気腫、下肺野:間質性肺炎が特徴的1)。
  • 閉塞性障害と拘束性障害が相殺されて、一見肺機能は正常に近い。肺の容積もほぼ保たれる。そのため見逃されている内に肺高血圧の進行や肺癌合併を来すことがある。
  • 肺機能は一見正常に近いが、肺拡散能(DLCO)が低下し、労作時呼吸困難が症状となる。
  • 肺高血圧の合併が高く(55%)、予後不良因子。
  • 5年生存率:54.6% →しかし、我が国では予後がよいという報告もある。

CPFEの画像所見

  • 肺尖部は肺気腫+肺底部はIP

※肺気腫のタイプは問わないが、2022年のATS/ERS/JRS/ALAT研究声明では、研究上の定義として気腫が全肺容積の5%以上を占めることを目安としている。
※間質性病変は線維化所見があるもので、UIPが多いが、NSIP、DIP、OPもある。

CPFEの問題点とは??

  • 肺気腫+肺線維症なので、その割合が問題となり、肺気腫よりものや肺線維症よりのものまで、この病態に分類される。
  • そうすると、IPFなのにそれをCPFEとしてしまう可能性もある。

関連記事:喫煙関連肺疾患の鑑別診断

参考文献)

  1. 1)Eur Respir J.26:586-593,2005
  2. 2)画像診断 vol.37 No.13 2017 P1405- 1414
  3. Cottin V, Selman M, Inoue Y, et al. Syndrome of Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema: An Official ATS/ERS/JRS/ALAT Research Statement. Am J Respir Crit Care Med. 2022;206(4):e7-e41. PubMed
  4. Kawabata Y, Hoshi E, Murai K, et al. Smoking-related changes in the background lung of specimens resected for lung cancer: a semiquantitative study with correlation to postoperative course. Histopathology. 2008;53(6):707-14. PubMed

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