【胸部】TIPS症例17
【症例】80歳代女性
【主訴】発熱
【既往歴】右乳癌術後
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両側肩甲骨の前にある軟部影は何?
両側対称性なので一瞬気づかないかもしれませんが、両側肩甲骨の内側に凸レンズ状の筋肉と等吸収な軟部影を認めています。
内部には軽度ですが、脂肪と同様の網状低吸収域を認めています。
脂肪を含む悪性腫瘍でしょうか?
ではなく、これはこの場所に好発する弾性線維腫と呼ばれる線維性偽腫瘍です。
中高年の女性で、重労働歴のある人に多いとされます。
診断:弾性線維腫
※画像所見のみで診断可能であり、治療の必要はありません。
その他所見:
- 両側少量胸水あり。
- 肺動脈本幹拡張あり。
- 膵尾部嚢胞あり。
- 左尿管ステントあり。
【胸部】TIPS症例17の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
FDG-PETで集積するのですね。PET画像は、無知に近いので勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
FDG-PETで集積することがあります。
軟部腫瘍として形成外科に回されMRIが撮影されることもありますね。
両側性だとなんとなく大丈夫そうですが、片側でこの信号だと造影MRI撮りたくなりますね。
アウトプットありがとうございます。
片側性であっても、場所と形状が非常に特徴的なので知っていれば基本的に精査にはなりません。
軟部影は普段救急ではあまり問題になることが多くなく、苦手ですが、この様な機会に勉強しておくと安心ですね。片側だと余計不安になりそうです。
アウトプットありがとうございます。
そんなものがここにあるということを一度体験しておくことが大事ですね。
こんばんは。お忙しいところ日々のフィードバックありがとうございます。
今日は難しかったです。
両側性であること、筋肉とだいたい同程度の軟部組織陰影であったことから前鋸筋由来の良性病変を想定して回答しましたが、病変の名称まではたどり着けなかったです…。
他の良性軟部組織腫瘍との鑑別は
①患者の平均年齢(高齢者に多い)
②限局性の病変であること
③女性であること
④両側性であること
が鍵となるということを学びました。
日本人に多い病変なのですね!
また、大抵の場合は経過観察ですが、腫瘤の増大により、局所の違和感や疼痛,軋轢音を伴った肩甲骨の弾発象である snapping scapulaを伴う場合には、手術を検討することもあるということも合わせて調べてみました。
次出会ったときは「なんじゃこりゃ〜」とならずに済みそうです!!
アウトプットありがとうございます。
>両側性であること、筋肉とだいたい同程度の軟部組織陰影であったこと
これに気づけるかが重要ですね。
両側性なので、正常なのかと思ってしまいがちです。
普段ないものがあるな!と違和感を覚えられるかですね。
>大抵の場合は経過観察ですが、腫瘤の増大により、局所の違和感や疼痛,軋轢音を伴った肩甲骨の弾発象である snapping scapulaを伴う場合には、手術を検討することもあるということも合わせて調べてみました。
補足ありがとうございますm(_ _)m
以前、弾性線維性仮性黄色腫の検査でCTAをしたことがあります。
なんで?と思いましたが、「仮性黄色腫」が加わるだけで全然違いますね。
アウトプットありがとうございます。
弾性線維性仮性黄色腫という病名を初めて聞きました(^_^;
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4579
遺伝子異常なのですね。
心臓・血管: 内弾性板の変性石灰化により、虚血症状が起こる。
この精査のためのCTAだったのでしょうね。勉強になりました。
今回も分からなかったので「前鋸筋 内側 腫瘍」でググったら両側弾性線維腫の画像付き論文が出て来たので正解できました。この手間を自動でやってくれる画像診断補助ソフトが早くできないかなぁと思いました。
アウトプットありがとうございます。
>この手間を自動でやってくれる画像診断補助ソフトが早くできないかなぁと思いました。
いずれそうなり、診断もある程度はしやすくなると思いますね。
放射線科がAIに取って代わられるという話が好きな医師もいますね(^_^;)
個人的には肺の結節などは勝手に見つけてくれて、それが肺癌ぽいかどうかはこちらが判断できるようになるといいなと思います。
さらに進むとその判断もしてくれそうですね。
やはり取って代わられ・・・・
初めての出会いでしたので、私も調べてみました。背中に盛り上がったしこりを見ることができることもあるようですね。
アウトプットありがとうございます。
>背中に盛り上がったしこりを見ることができることもあるようですね。
視診でわかることもあるようですね。