
【頭部】TIPS症例27-1
【症例】80歳代男性
スクリーニング
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脳ドックのガイドライン2019では、大脳白質病変について、
- 脳室周囲病変(PVH)
- 深部皮質下白質病変(DSWMH)
に分けて評価するよう記載があります。
では、この症例ではそれぞれいかがでしょうか?
両側脳室周囲から深部白質、一部皮質下白質に及ぶ高信号を認めています。
高信号の内部に抜けを認めており、陳旧性ラクナ梗塞を疑う所見も散見されます。
深部皮質下白質病変も一部認めていますが、やはり脳室周囲の高信号が主体で、脳室周囲に非常に目立つということがわかりますね。
特に、基底核レベルでは、深部皮質下白質病変ははっきりせず、脳室周囲の高信号のみ認めています。
まず脳室周囲白質病変(PVH)は今回の症例ではグレードⅢ相当と考えられます。
(これも人によってはⅣと判定する人もいるかもしれませんが、広汎に皮質下白質に及んでいるわけではないと考えます。)
また深部皮質下白質病変(DSWMH)については、3mm以上のわずかな斑状の病変を認める程度ですので、グレード2相当だと考えます。
診断:
深部皮質下白質病変(DSWMH)グレード2、
脳室周囲白質病変(PVH)グレードⅢ
陳旧性ラクナ梗塞散見される。
症例27−2の解説はこちら
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【頭部】TIPS症例27-1の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
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症例27−2の解説はこちら
このようなgrade判定の時にはいつも厳しめに取った方がいいのかなと思ってしまいますね
2-3の境界がなんとかなく理解出来そうです。
アウトプットありがとうございます。
>2-3の境界がなんとかなく理解出来そうです。
脳室周囲病変(PVH)
深部皮質下白質病変(DSWMH)
に分けてそれぞれ考えるとなんとなく見えてみますね。
これはどっち由来の白質変性なんだ?と悩ましいものも結構ありますが(^_^;)
PVH側の病変が強いと、DSWMHは癒合して見えないだけに思えて「4なのかな?」とも思ってしまいました。PVHとDSWMHをしっかり分けて観察しないといけませんね。
アウトプットありがとうございます。
>PVH側の病変が強いと、DSWMHは癒合して見えないだけに思えて「4なのかな?」とも思ってしまいました。
そうも見えると思います。難しいですね(^_^;)
ただ今回は癒合傾向にない深部皮質下白質病変(DSWMH)がありますので、目立つ白質変性は脳室周囲由来と考えるのが妥当と考えました。
脳室周囲病変(PVH)が有意なのか、深部皮質下白質病変(DSWMH)が有意なのか、人によって違うのですね…病態が異なることを示唆しているかもしれません。
アウトプットありがとうございます。
>脳室周囲病変(PVH)が有意なのか、深部皮質下白質病変(DSWMH)が有意なのか、人によって違う
そうですね。どちら優位とはいえない症例もたくさんありますが、今回のように脳室周囲病変(PVH)が優位であるというケースや深部皮質下白質病変(DSWMH)が優位であるというケースがありますので、その目でみてみましょう。
今日もありがとうございます。
グレード分類も頭の中に入ってきた気がします。今週から健診MRIに配属されてるのでPVHやDSWMHを意識して画像を見れるようになりました。
アウトプットありがとうございます。
>今週から健診MRIに配属されてる
なんとタイムリーな!ですね。
そこで意識して見られたら強いですね!
おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
どちらもグレード4(Ⅳ)としてしまい、間違っていました…
脳室周囲と深部皮質下白質の境界線をどこらへんに引けばいいのか、よくわかっていなかったです。
アウトプットありがとうございます。
線引きは非常に難しいですね。
おっしゃるようにこれをグレード4と取る人もいると思います。
基底核レベルがやはり今回はspareされているのだと考えられます。