【頭部】TIPS症例15

【頭部】TIPS症例15

【症例】70歳代男性
肺癌術後。転移性脳腫瘍除外目的。

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小脳半球に転移性脳腫瘍がある?ない?ないならばこれはなに?

造影T1WIで小脳虫部や左小脳半球に高信号を認めています。

脳転移でしょうか?

よく見ると高信号に加えて、左小脳半球では低信号を認めており、それらが真横に連続して存在していることが分かります。

そして両サイドには静脈洞があります。

上下のスライスを見てみると静脈洞から信号を拾っているように見えます。

これは脳転移ではなく、静脈洞内の血流によるフローアーチファクトです。

 

診断:血流によるフローアーチファクト

 

※とくにこの場所は、静脈洞からのアーチファクトが出やすい部位ですので、脳転移などと間違えないように注意が必要です。紛らわしい場合は、日を改めて撮影したり、アーチファクトが出ないような工夫をしての撮影が必要となります(工夫の詳細については成書をご覧ください)。

【頭部】TIPS症例15の動画解説

放射線科の先生がこのアーチファクトについてつぶやいておられました。

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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