
【頭部】TIPS症例10
【症例】50歳代男性
肺癌術前スクリーニング
画像はこちら
脳梁膨大部左背側の造影効果は何?
まず、透明中隔腔・Verga腔を認めています。
そして、小脳背側に巨大大槽を疑う所見を認めています。
さらに左の中頭蓋窩にT2WIで高信号の嚢胞性病変を認めています。
同部はT1WIでは低信号になっています。
これは、前回見たくも膜嚢胞を疑う所見です。
部位も中頭蓋窩で好発部位ですので、復習しておきましょう。
脳梁膨大部左背側に造影効果を認める血管構造を疑う索状構造を認めています。
細い血管が集簇して、太い血管なっている様子が分かります。
これを静脈奇形といいます。
最も多い血管奇形であり、ほとんどは無症状で今回のように偶発的に見つかります。
診断:静脈奇形
【頭部】TIPS症例10の動画解説
TBSからくも膜のう胞の画像を提供してほしいといわれて典型的なこの症例の画像を提供しました。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
有意の血管奇形としっかり区別できるようにします。
今回のメインではないですが、くも膜のう胞の場所は中頭蓋窩といえばいいのですね。部位名を把握していませんでした。
アウトプットありがとうございます。
>くも膜のう胞の場所は中頭蓋窩といえばいいのですね
側頭葉先端部などでも良いと思います。早速くも膜のう胞が好発部位で出てきましたね(^^)
静脈奇形は、SWIを撮影すればもっと明瞭に確認できそうです。
そうですね。おっしゃるとおりSWIでは明瞭に確認できそうです。
今回のように正常変異がいくつも重なることはよくあるのでしょうか?
正常変異の勉強になる一例ですね。
アウトプットありがとうございます。
どこまで正常変異に入れるかですかね。
透明中隔腔・Verga腔や巨大大槽は頻度が多いのでよほど目立つものでないと指摘さえもしない傾向にあります。
そういった意味では、Willis動脈輪の正常変異をいちいち指摘しないのと似ているかも知れません。
今回のケースですと、くも膜嚢胞、静脈奇形は指摘したいところです。
血管にしか見えないなぁ、、、、→静脈奇形というアウトプットを持ち合わせていませんでした。(TT)
静脈奇形、静脈奇形、静脈奇形・・・・アップデートしました。
アウトプットありがとうございます。
>血管にしか見えないなぁ、、、、
血管に見えた。いつもと違う。おかしい。
ということに気づければ後は知ってるかどうかなので、気づけた点はOKです!
おはようございます。本日もよろしくおねがいいたします!
名前はわからなかったのですが、血管として認識することはできました…。
画像診断の本で、DVA(developmental venous anomalies)血栓症の画像や、kenken先生のおっしゃっていたSWIでどのように見えるのかについて確認してみました。
leukoaraiosisのような白質病変を呈する場合もあるのですね。
アウトプットありがとうございます。
>名前はわからなかったのですが、血管として認識することはできました…。
血管として認識できたのならOKです。
SWIの威力は救急画像診断でやりましたね。
“動脈”奇形ではなくて、”静脈”奇形と診断できるのはなぜですか?
「脂肪抑制造影MRIにおいて、動脈輪は造影されていないように見えるので、この画像は動脈相より後ということになり、造影されているのは静脈だと考えられる」ということでしょうか?
>TBSからくも膜のう胞の画像を提供してほしいといわれて典型的なこの症例の画像を提供しました。
そういう貢献の仕方もあるんですね!
TV画面の右上のタイトルを見ると、これも野球ですね。
野球と言えば、息子さんとのエピソード和みました。
先生のよいパパっぷりが見られたところで、今週も頑張ります笑
アウトプットありがとうございます。
>“動脈”奇形ではなくて、”静脈”奇形と診断できるのはなぜですか?
相からというよりは、動脈ではこのような奇形は存在しないからですね。
血管奇形もまずは正常変異と同様パターン認識でよいと考えます。
>そういう貢献の仕方もあるんですね!
テレビに出たことがあるくも膜のう胞ということで、典型的ですので、
是非目に焼き付けてください(^^)
>野球と言えば、息子さんとのエピソード和みました。
先生のよいパパっぷりが見られたところで、今週も頑張ります笑
ありがとうございます。
野球チームのイベントに参加させただけですが(^_^;)
今週の日曜日もイベントがあるようです。
この季節は野球の練習以外にも色々イベントがあり、よい体験になっていると思います。
こないだまで合宿は行きたくないと言ってましたが、土曜日帰ってきてから
「やっぱり合宿いく」と言ってました。
イベントに参加することでいろんな気づきがあり、気持ちも変わりますね。
小脳背側がクモ膜嚢胞ではなく巨大大槽と言えるのはなぜでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
症例9の解説もご覧いただきたいのですが、正中部を隔てて両側に認めている点や後頭骨内板には侵食を疑う所見もない点、そして嚢胞のような形状をしていない点などから巨大大槽であろうと考えられます。