
【頭部】症例7 補足1
【症例】60歳代 男性
【主訴】物忘れ
【現病歴】1ヶ月前に転倒あり。
MRI
【頭部】症例7 補足2
【症例】40歳代 男性
【主訴】頭痛
【現病歴】頭痛が持続する。頭部打撲は記憶にない。
MRI
症例7 補足症例の解説動画
こちらのリンク先に今回の症例を掲載していますので解説は動画もしくは、リンク先を参照ください。
※経過ですが、補足症例1は他院でフォローとなり、症例2は血腫除去術の手術となりました。症例2は打撲の記憶がないということで原因不明となっています。
お疲れ様でした。 今日は以上です。 今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
いつもお世話になっております。
症例1で小脳虫部背側の髄腔が拡大しているようにみえますが、
これは正常範囲でしょうか、それともくも膜嚢胞でしょうか。
アウトプットありがとうございます。
巨大脳槽と呼ばれる正常変異です。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/7613
硬膜下血腫の様々な見え方について学べて、大変勉強になりました。血腫ができてからの経過によっても、見え方に差があるので、今後は特にflairに着目して、鑑別していきたいです。
1つ質問なのですが、補足2について、T2WIの17/24スライスの辺りで硬膜の肥厚があると考えました。外傷のエピソードがないことから、悪性腫瘍の硬膜転移かなと思ったのですが、ADCで拡散能の低下を認めないことから、悪性腫瘍の転移ではないと考えるのでしょうか?他に決め手があれば、教えていただきたいです。
アウトプットありがとうございます。
>補足2について、T2WIの17/24スライスの辺りで硬膜の肥厚があると考えました。外傷のエピソードがないことから
出血があるので硬膜の肥厚かどうかはちょっとこれでは判断できません。
この症例では辺縁は高信号である傾向にあります。均一に分布しているわけではありません。
怪しい場合は血腫がなくなったあとで、改めて造影MRIを用いて判断ということになりますがその前に原発巣があるのかの検索になりますね。
御回答ありがとうございます。血腫除去後にも何かしらの症状があるようなら、硬膜転移も鑑別に入れて検査したいと思います。
慢性硬膜下血腫と急性硬膜下血腫を区別するポイントはまず病歴だと思いますが、画像上のポイントはどのようなものがございますでしょうか?
例えば血腫のCT値が●●以上であれば急性を疑うとか、内部が不均一であれば慢性を疑うとか。。また慢性硬膜下血腫の場合MRI FLAIRでは高吸収になることが多いということでしたが急性硬膜下血腫の場合はFLAIRでどのようになるのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>慢性硬膜下血腫と急性硬膜下血腫を区別するポイントはまず病歴だと思いますが、画像上のポイントはどのようなものがございますでしょうか?
画像上は急性の場合は、CTで高吸収のことが多いという点、均一なことが多いという点ですが、そうでないこともあります。
腹水などのようにCT値がいくらだから急性などとは判断はしません。
血腫は経時的に信号変化をしていきますので、急性は急性でもどれだけ時間が経過しているかで変わってきます。
参考までに脳内出血の場合のMRIの信号パターンの変化です。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/723
症例一でT2WIの上顎洞に見える高信号は鼻水?のような水だからでしょうかここだけで見えるように感じたので何か特別に見えるものなのかと思いましたが、わかりません。
アウトプットありがとうございます。
粘液貯留や粘膜肥厚、貯留嚢胞といったものが高信号となります。
今回は目立たないですが、上顎洞に広範に認める場合は副鼻腔炎の可能性あり、と記載します。
すみません、途中で送信してしまいました。
血腫は信号が経時的に変化するので、苦手です^^;
先生が紹介してくださった記事(https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/723)と照らし合わせて見てみました。
動画内で、”慢性硬膜下血腫”なので、MRIでの信号パターンは様々であり、覚える必要はないと解説いただいたところなのですが、1点質問させてくださいm(_ _)m
今回の動画では”FLAIR像で明瞭な高信号となる”と解説いただき、たしかにそうなっています。しかし、↑の記事で”慢性期(1ヶ月以降)はT2WIで内部は脳脊髄液と同じ高信号になる”とあり、それを踏まえると、FLAIRでは(脳脊髄液の信号は抑制されるので)内部が低信号になるのではないかと思いました。
アウトプットありがとうございます。
脳出血の経時的変化を出したのは、血腫は時期によりさまざまな信号パターンを示すということの提示です。
基本的に脳内出血のような経時的変化を硬膜下血腫は取りません。
脳内血腫の場合は一度出血したら再出血することは稀ですが、硬膜下血腫の場合はじわじわ出血し続けたり、再出血することがあるのと、周りが脳実質ではないため、水腫によって薄まったりもするためです。
仮に硬膜下血腫が慢性期に脳脊髄液と同じ信号となり水腫化した場合はおっしゃるようにFLAIRで脳脊髄液と同じように低信号となりますが、ほとんどのケースはそうはなりません。
なるほど、同じ出血でも周囲の条件によって変わってくるんですね!
勉強になります。
ありがとうございますm(_ _)m
そうなんです。
ですので、例えば腹腔内出血などでも超急性期は脳内出血と同じような信号パターンですが、吸収されたり、腹水で薄まったりでそれ以降は同じではありません。