【頭部MRA】症例16 解答編

【頭部MRA】症例16

【症例】80歳代 女性

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どんな血管の正常変異がありますか?

脳底動脈(BA)に低形成を認めており、脳底動脈(BA)と右内頸動脈(ICA)を結ぶ血管を認めています。

MIP像で横から見ると脳底動脈(BA)と右内頸動脈(ICA)を結ぶ血管の様子がよく分かります。

これを(外側型)遺残原始三叉動脈と言います。

胎生早期に

  • 前方の前方循環系(頸動脈系)
  • 後方の後方循環系(椎骨脳底動脈系)

との間に存在する吻合が、退縮せずに遺残したもので複数の種類が知られています。

中でも今回の遺残三叉動脈の頻度が高いと言われています。

 

診断:右(外側型)遺残原始三叉動脈+脳底動脈低形成

 

※正常変異です。

また別件ですが、左眼動脈起始部に動脈瘤様変化を認めていますが、元画像で同部を見てみると突出している先から左の眼動脈が起始していることがわかり、漏斗状拡張(infundibular dilatation)であることがわかります。

 

関連:遺残三叉動脈のMRI,MRA画像診断(正常変異)のポイント

 

【頭部MRA】症例16の動画解説

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