【腹部TIPS】症例20-2 解答編

症例t

【症例】50歳代女性
【主訴】2日前より腹痛あり、症状軽快しないため来院
【身体所見】腹部:平坦、軟、下腹部正中に圧痛あり
【データ】WBC 9400、CRP 7.19
【既往歴】子宮腺筋症が指摘されている。

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盲腸憩室炎に対して、絶食、セフトリアキソン(CTRX)2g/日点滴にて保存的に加療されました。

1週間後のCTです。

憩室炎所見は軽減傾向です。

1週間前には認めなかった胆嚢内の高吸収域が出現しています。

1週間前には認めていなかったため、腫瘍ではなさそうです。

また症例18で見たような、造影剤でもなさそうです。

となると、胆石でしょうか?

1週間の間に胆石が生じることがあるのでしょうか?

 

実はこれ、偽胆石と呼ばれます。

 

抗生物質、なかでもセフトリアキソン(CTRX、ロセフィン®)の投与により出現し、投薬を中止すると再び消えることが知られています。

 

診断:セフトリアキソンによる偽胆石

※抗生剤を別種類に変更されました。

2ヶ月後CTにて胆石は消失していました。

関連:セフトリアキソン(CTRX、ロセフィン®)による偽胆石とは?CT画像は?

その他所見:

  • 肝嚢胞あり。
  • 腎嚢胞あり。
  • 子宮腫大あり。(既知の子宮腺筋症)

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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