【腹部TIPS】症例19 解答編

症例19

【症例】60歳代女性
S状結腸癌術後フォロー目的のCTが撮影された。

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脊柱管内が高吸収なのはなぜ?

脊柱管内に石灰化を多数認めています。

靱帯の骨化などでしょうか?

そうではなく、これは油性造影剤の残存を疑う所見です。

現在は用いられていませんが、かつては脊髄腔造影は油性造影剤が用いられていました。

ですので、油性造影剤(iophendylate、商品名 myosil(マイオジール))を用いたミエログラフィの既往が疑われます。

診断:油性造影剤によるミエログラフィの既往の疑い

※油性造影剤により癒着性くも膜炎(から脊髄空洞症へ進展)を生じることがあります。
※現在は脊髄腔造影には用いられていない(1980年頃まで使用されていた)ので今後目にする機会はさらに減っていきます。

関連:癒着性くも膜炎の画像診断

その他所見:腎嚢胞あり。

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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