
症例6
【症例】70歳代 女性 スクリーニング
画像はこちら
右腎に萎縮および広範な石灰化を認めています。
腎結核の進行した漆喰腎(しっくいじん)を疑う所見です。
回盲部に石灰化リンパ節を認めています。
また右肺野に石灰化結節を認めています。
いずれも結核による変化が疑われます。
診断:漆喰腎
その他所見:
- 甲状腺両葉の吸収値低下あり。慢性甲状腺炎の可能性あり。
- 肝嚢胞散見。
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
救急画像診断の重要ポイントをギュッと濃縮してお届けします。
【症例】70歳代 女性 スクリーニング
画像はこちら
右腎に萎縮および広範な石灰化を認めています。
腎結核の進行した漆喰腎(しっくいじん)を疑う所見です。
回盲部に石灰化リンパ節を認めています。
また右肺野に石灰化結節を認めています。
いずれも結核による変化が疑われます。
診断:漆喰腎
その他所見:
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
漆喰腎
初めて知りました。
また一つ
"かしこさ"が+1上がりました!
今度見たときは
"すばやさ"も上げていきたいです。
すべてのステータスを上げなきといけないのですが、一歩ずつかなと思っています。
今日もありがとうございました。
あと
甲状腺が少し大きいのと、
胸部、腹部大動脈拡張
している様に見えるのですが
これは正常範囲内の大きさでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>すべてのステータスを上げなきといけないのですが、一歩ずつかなと思っています。
今日もありがとうございました。
そうですね。
かしこさ、すばやさ、コミュニケーション能力、空気を読む力など医療にはいろんな力が必要ですね(^o^)
>甲状腺が少し大きいのと、
胸部、腹部大動脈拡張
甲状腺はおっしゃるように少し大きいかも知れませんが、あまり有意にはとらないレベルですね。
大動脈も正常範囲と考えます。
>コミュニケーション能力、空気を読む力
敢えて追加されてますが、
先生が言いたいのはむしろこっちですか(╹◡╹)?ww
いえいえ、これも大事だなあと。
救急では周りを見ながら、回っていないときなどは、ときに断る勇気も大事だなあと思います。
所見に名前がついているといいですね^_^
よく見る所見で、
名前がないものを探したら、
何か命名したいものです^_^ w
筆頭候補は、
PTPシートの誤飲で見られる「二重四角サイン」です。
どうか、アイデアを奪わないでくださいm(_ _)m
>筆頭候補は、
PTPシートの誤飲で見られる「二重四角サイン」です。
薬剤が残っている場合ですね。
もうすでに自分が考えたかのようにサイトに掲載しています(嘘)
このコーナーの画像は正直全く知らないものばかりなのですが、面白いですね!
いつか出会いたい画像ばかりだなと思います。
それほど頻度が低いものではありませんので、またその目で見てみてください。
お世話になっています。
この症例では、甲状腺濃度が低下しているように見えます。
たまに、慢性甲状腺炎などで濃度が低下している所見を見かけますが、常に記載すべき有意な所見なのでしょうか?
もし、所見とするならCT値のカットオフはどの程度でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>慢性甲状腺炎などで濃度が低下している所見を見かけますが、常に記載すべき有意な所見なのでしょうか?もし、所見とするならCT値のカットオフはどの程度でしょうか?
おっしゃるようにやや濃度が低下しているように見えますね。追記しました。
記載するべきだと思いますが、CT値のカットオフ値などは聞いたことがありません。
・びまん性腫大(ただし慢性甲状腺炎の末期は萎縮)
・本来高吸収である甲状腺の吸収値の低下
からその可能性を示唆する程度です。
FDG-PETにおいてもびまん性集積を認めた場合は指摘する必要がありますがこの際も
SUV maxにカットオフ値があるわけではありません。
急を要さない所見もしっておくことは大事ですよね。
いちいち何だこりゃってなってると、致命的な所見の詳細な評価が難しくなりそうですから(^-^;
ですね。
なんじゃこりゃ!腎臓が石灰化している!どうしよう! と慌てずに済みますね(^_^;
仙骨に骨腫瘍はありますか?
仙骨に骨腫瘍はなさそうです。
いつも貴重な症例ありがとうございます。
腎結核だ!で終わってました。まさか進行する腎結核が漆喰腎だったとは、、、本当に勉強になります。
左尿管がやや拡張してますが、右漆喰腎のため代償拡張しているということですか?
アウトプットありがとうございます。
>左尿管がやや拡張してますが、右漆喰腎のため代償拡張しているということですか?
片一方の腎臓が機能低下となり、もう一方の腎臓が代償性に腫大することはありますが、
尿管拡張は起こりません。
おっしゃるように今回左尿管は全域にわたりやや拡張傾向ですが、
漆喰腎とは関係がないと考えます。
今回で6回目ですが、過去のものを振り返ると、案の定忘れていました。。先生が書かれていたように、何度も知識をもとに読影の際に実践することが重要だなぁと思いました。
今回の問題では、回盲部の石灰化リンパ節は結核性が最多という以前の問題で扱った知識と繋がりますね。
アウトプットありがとうございます。
>何度も知識をもとに読影の際に実践することが重要だな
ですね。何度も実際に読影してみてアウトプットしてみることが重要ですね!
漆喰腎、初めて聞きました。この腹部TIPSをやり始めて、いかに自分が読影頼みで画像を見ていたか思い知らされました…
70台にしては子宮が大きいかな、膀胱を押しているのかな、と思ったのですがこれは正常像なのですね?
アウトプットありがとうございます。
>いかに自分が読影頼みで画像を見ていたか思い知らされました…
得られるものが少しでもあるようでこちらもうれしいです。
>70台にしては子宮が大きいかな、膀胱を押しているのかな、と思ったのですがこれは正常像なのですね?
確かに少し大きめかもしれませんが、腫瘍のようなものはないので、特に指摘はしなくてよいと考えます。
おはようございます。漆喰腎もそうですが、このような腎臓の画像は初めて見ました。
基本的な医療知識が不足しているので分からないことばかりですが、少しずつでも知識としてため込んでいきたいと思います。
少し膀胱壁が肥厚しているように見えますが、これは正常の範囲内なのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>少し膀胱壁が肥厚しているように見えますが、これは正常の範囲内なのでしょうか。
今回は膀胱内に尿がたくさんあるわけではなく、子宮に圧排されているくらいなのでこれでは何とも言えないですね。
明らかな壁肥厚はなさそうです。
Netで調べてからですが・・・腎石灰化症と回答しました。
画像上指摘可能な石灰化がある場合に呼ぶ。
皮質石灰化と髄質石灰化で原因が異なる。等記載がありました 髄質石灰化
副甲状腺機能亢進症、腎尿細管アシドーシス、髄質海綿腎、ビタミンD過剰症、
甲状腺機能亢進症、慢性腎盂腎炎、腎乳頭壊死、腎結核、Sickle cell病、
Wilson病、Sjogren症候群、Bartter症候群、サルコイドーシス
この問題は、「片側の腎に発症することが多い」が合致しやすくその他の石灰化も併せ腎結核
腎結核→漆喰腎に変化することを学習しました。
6回何気なく参加しているのですが、問題の完成度が高いと感じています。
アウトプットが大切なようなで、フォームも用意いただいていますので利用させていただきました。
アウトプットありがとうございます。
>皮質石灰化と髄質石灰化で原因が異なる。
という点は重要ですね(^^)
>6回何気なく参加しているのですが、問題の完成度が高いと感じています。
そのように言っていただき、ありがとうございます。
>アウトプットが大切なようなで、フォームも用意いただいていますので利用させていただきました。
ぜひこれからもどんどん学んだことなどをアウトプットしていただけたらと思います。
子宮脱ありそうでしょうか?
矢状断を確認してみたいです。
あるかもしれませんね。
矢状断はありません。
お世話になっております。
毎回知らない知識ばかりで勉強になっております。
知識不足で申し訳ないのですが、いくつか質問させてください。
腎の石灰化は髄質と皮質に分けて考えるとよいとのことですが、この画像だと皮質か髄質か判別できませんでした。判別のコツなどはありますか?
また、少し調べていると腎結核は髄質に石灰化を来すと書いてある文献もあるようでした。先生が経験された症例では、やはり腎皮質の石灰化が多かったのでしょうか?
最後に、メインテーマとは関係ないのですが、14枚目の声門あたりで見られる高吸収域は何をあらわしているのでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、お答えいただけますと幸いです。
アウトプットありがとうございます。
>腎の石灰化は髄質と皮質に分けて考えるとよいとのことですが、この画像だと皮質か髄質か判別できませんでした。判別のコツなどはありますか?
この症例では皮質髄質両方に認めていますね。
今回のような漆喰腎は腎結核のなれの果てですね。
結核菌は糸球体および周囲の毛細血管に侵入し、皮質に無数の小膿瘍及び肉芽腫を形成する。
炎症の修復過程として、線維化・瘢痕化による狭窄、そして石灰化を生じる。(臨床画像 Vol.28,No.9,2012 P1100)
とありますので、やはり皮質に多いようですね。
>14枚目の声門あたりで見られる高吸収域は何をあらわしているのでしょうか。
輪状軟骨の石灰化と思われます。
こちらMRIですが、22-26/29で確認できます。(基本的にPCのみから閲覧可能です。)
http://medicalimagecafe.com/tool/neckmri/01.html
学生です。サンゴ状結石なのかと思ってました。
勉強不足。。。
アウトプットありがとうございます。
尿路結石のうち、結石が腎盂と腎杯を鋳型として、腎盂腎杯に沿った部位を占めるものをサンゴ状結石といいます。
今回は皮質を中心に腎全体に石灰化を認めていますね。
学生です。今回も知らなかったので、「腎 石灰化」でググって、画像診断まとめの該当ページから、正に今回の症例を見つけて正答しました。
知らなくても諦める必要はない事をごろ〜隊長は教えてくれます。
アウトプットありがとうございます。
少し調べてでも回答出して答えを見るのと、わからないからとすぐに答えを見るのとでは後者の方が印象に残りやすいですね。
いつもお世話になっております。研修医1年目です。
毎回、色々と勉強させて頂いております。ありがとうございます。
質問ですが、本症例のように大腰筋周囲に石灰化を認める場合は特に尿管結石を見逃さないために尿管の走行を追うようにしていますが、実際は一人で追いきれずに途中で見失う症例が多いです。
閉塞機転に伴う二次所見があると評価しやすく、画像診断Caféの正常所見をもっと頭に叩き込む必要はあると思うのですが、先生が尿管の走行を追う際に何か意識していることなどあればご教示頂けると幸いです。
アウトプットありがとうございます。
>閉塞機転に伴う二次所見があると評価しやすく、画像診断Caféの正常所見をもっと頭に叩き込む必要はあると思うのですが、先生が尿管の走行を追う際に何か意識していることなどあればご教示頂けると幸いです。
追えない場合はthin sliceを作ってもらうこともあります。
ただし、それでも追えない人は追えません。
尿管については特にコツはありませんが、追えない場合は膀胱側から頭側に追ってみておそらくこの辺りで繋がっているのだろうと考えることはあります。
いつも大変勉強になります。
質問があります。
既出ですが、両葉甲状腺に軽度低吸収化、びまん性の軽度腫大を認めます。
撮像範囲内の両耳下腺がびまん性に軽度萎縮しているように見えます。
以上の所見より、Sjögren症候群の可能性あり。
初見の場合、読影レポートの「Impression」には記載しても問題ないくらいの内容でしょうか?
階調変えて肺野も閲覧できれば…orz
アウトプットありがとうございます。
>撮像範囲内の両耳下腺がびまん性に軽度萎縮しているように見えます。
以上の所見より、Sjögren症候群の可能性あり。
耳下腺は萎縮していないようです。
顎下腺は特に右側で萎縮があるかもしれませんので記載してもいいと思います。
>階調変えて肺野も閲覧できれば…orz
腹部TIPSですので…orz
なるほど、腹部ですものね(笑)
実は初め腹部TIPSという単語を見て、
経静脈的肝内門脈静脈短絡術の症例ばかり提示されてるのかと、本当に思いました(*_*)
ただいつも勉強になる症例をありがとうございます。
>腹部TIPSという単語を見て、経静脈的肝内門脈静脈短絡術の症例ばかり提示されてるのかと、本当に思いました(*_*)
(;゚ロ゚)
マニアックすぎる症例提示になりますね・・・。
今回も興味深い症例解説ありがとうございます。
初期研修医2年目のものです。
解説の中に漆喰腎が同時期に活動性結核を有する割合は5%と低いとのことでした。
この方は肺病変も石灰化以外にほぼなく、咳嗽や血痰などの症状もないかもしれませんが、臨床的には排菌の精査はする必要はあるのでしょうか。
個人的な意見ですが、血流感染の漆喰腎を有するということは結核の活動性も一時期はそれなりに高かったのかなと思います。
拙い質問ですが、臨床に絡めてお答えいただけると幸いです。
アウトプットありがとうございます。
専門ではないので正確なことはわかりませんが、現時点では排菌の精査は必要ないのではないかと考えます。
漆喰腎だけでなく胸腹部に多発リンパ節の石灰化を認めたり、中には脾臓にびまん性石灰化を認めるような症例も日々遭遇します。
陳旧性結核の所見であり、それらの症例に都度排菌の精査はしていないと思われます。
素人質問ですみません。
肝臓表面の突出性嚢胞ですが、先日これと似たような低吸収所見で、造影してみるとHCC疑いと読影レポートが来ました。普段は嚢胞としてしか見ていませんでした。その所見は、これより辺縁が不正ではありましたが、やはり肝臓の表面の突出性の結節でした。動脈、門脈、平衡層全てほんとうに淡い濃染でした。
血管腫は突出しないですよね。
CT所見だけの情報で表面の突出性の構造物をみたとき、偽被膜などはなくても悪性を疑っていった方が良いですか?
アウトプットありがとうございます。
血管腫でも突出することはあります。特にサイズが大きいものはです。
ですので、突出性だから悪性・良性とは言えません。
お返事ありがとうございます。
いつも楽しく勉強させていただいております。ありがとうございます。
質問です。回結腸部動静脈沿いの石灰化結節と同様のものが95枚目の右大腰筋の右沿いにも認められます。これも結核由来の石灰化リンパ節と判断してよろしいのでしょうか。ご教授お願い致します。
アウトプットありがとうございます。
>回結腸部動静脈沿いの石灰化結節と同様のものが95枚目の右大腰筋の右沿いにも認められます。これも結核由来の石灰化リンパ節と判断してよろしいのでしょうか。
おっしゃるとおりです。90枚目にもありますね。陳旧性の結核性リンパ節と判断できます。
腎結核で石灰化するのはわかっていたのですが、漆喰腎は初めて聞きました。
海綿腎としてしまいました。
これだけ石灰化と萎縮した腎で皮質と髄質の境界ってどう見分けたらいいのでしょうか?
変な質問でしたら申し訳ありません。
アウトプットありがとうございます。
>これだけ石灰化と萎縮した腎で皮質と髄質の境界ってどう見分けたらいいのでしょうか?
皮質は菲薄化して、皮様になりますので、ほとんど認めなくなります。
参考:腹部のCT 第3版 P495
腎実質が石灰化していることしか分からず、ネットで検索したところ、ゴローニャ先生のサイトがヒット。漆喰腎。初めて聞きました。
アウトプットありがとうございます。
他部位の石灰化も参照にしてみてください。
毎症例とても勉強になっています。ありがとうございます。
知識不足で申し訳ないのですが、食道がだいぶ開いてみえるのですが、正常なのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
少し拡張しているもように見えるところもありますが正常範囲です。
拡張している場合はもっと拡張します。
いつも面白い症例ありがとうございます。
腎上極にBosniak3-4の腎のう胞も合併しているように見えますが、如何でしょうか。
アウトプットありがとうございます。
確かに壁のやや厚い嚢胞を認めていますが、あまり悪い印象はなく、慢性的な嚢胞なのだろうなと考えます。
ただ、おっしゃるように指摘しておいた方がいいですね。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/235
いつも動画ありがとうございます。毎度参考にさせていただいております。
声門上部左側から下咽頭左側壁に粘膜肥厚があるように見え、梨状陥凹に左右差がありますが、喉頭癌または下咽頭癌の可能性についてはいかがでしょうか?
生理的範疇にも見えますが、follow対象または場合によってはファイバーぜの精査としてもいいのかなぁとも思いました。
アウトプットありがとうございます。
>follow対象または場合によってはファイバーぜの精査としてもいいのかなぁとも思いました。
12 / 136あたりですね。そうですね。おっしゃるように左右差がありますので、指摘して良いと思います。
認定証が早く届くことをお祈りします(^_^;)