【頭部】TIPS症例42

【頭部】TIPS症例42

【症例】70歳代 男性
【主訴】転倒し頭部打撲

骨折があるのではないかと指摘されましたがどうですか?

画像はこちら

まず頭蓋内出血などを疑う所見を認めていません。

骨条件を見てみましょう。

左前頭部に裂創を疑う所見を認めていますが、同部に頭蓋骨骨折を疑う所見は認めていません。

次に、3D再構成を見てみましょう。

すると普段見ない線を前頭骨の正中部に認めていることがわかります。

これは骨折でしょうか?

骨条件で確認してみましょう。

すると、骨折を認めているわけではなく、他の縫合線と同じような形態で残存していることがわかります。

 

縫合線の復習ですが、正常ならば以下の4つの縫合線が主となります。

 

  • ラムダ縫合(後頭骨と頭頂骨との間)
  • 冠状縫合(前頭骨と頭頂骨との間)
  • 矢状縫合(2個の頭頂骨との間)
  • 鱗状縫合(側頭骨と頭頂骨との間)

正常な頭蓋骨の3D再構成画像はこちら

 

今回の前頭部の縫合線は通常は小児期に消えるのですが、今回の症例のように残ることがあります。

これを、前頭縫合(の遺残・残存)と言います。

 

診断:前頭縫合(の遺残・残存)

 

関連:前頭縫合の残存・遺残のCT画像所見

【頭部】TIPS症例42の動画解説


お疲れ様でした。

今日は以上です。

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