
【症例】30歳代 男性
【主訴】頭痛
【現病歴】2週間前より感冒あり。最近眉間の辺りの痛み、頭痛あり。
【既往歴】なし。偏頭痛の既往なし。
【身体所見】発熱なし。
画像はこちら。
右上顎洞に粘膜肥厚およびニボー像を疑う所見を認めています。
上顎洞だけでなく、篩骨洞前部にも右側に粘膜肥厚を認めています。
さらに前頭洞にも粘膜肥厚を認めています。
これらの粘膜肥厚は副鼻腔炎を疑う所見です。
骨条件を見てみましょう。
右上顎洞にair bubbleを認めています。
これは、液面形成と併せて、急性副鼻腔炎を疑う所見とされます。
冠状断像で見ると、前頭洞、篩骨洞、上顎洞の粘膜肥厚の様子がよく分かります。
また左では開存している自然孔が右側では閉鎖していることが分かります。
診断:(臨床情報と併せて)急性副鼻腔炎
※抗生剤、ステロイド内服治療となり、その後症状軽減しています。
関連:急性副鼻腔炎の画像診断
その他所見:左上顎洞にも軽度粘膜肥厚あり。
【顔面+α】症例26の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
液体貯留だけでなく、粘膜の肥厚やガス像で炎症の有無を確認するのですね。
副鼻腔には自然な孔もあるので、骨融解などと間違えないよう解剖の理解が必要だと感じました。
アウトプットありがとうございます。
>液体貯留だけでなく、粘膜の肥厚やガス像で炎症の有無を確認するのですね。
おっしゃるとおりです。
>副鼻腔には自然な孔もあるので、骨融解などと間違えないよう解剖の理解が必要だと感じました。
骨融解とはなかなか間違えないかと思いますが、解剖は決して単純ではないので注意が必要ですね。
私の病院では自然孔の確認のため、冠状断の作成はルーチンとなっています。
アウトプットありがとうございます。
うちでも副鼻腔CT、頭部CTの場合は冠状断像はルーチンとなっていますね。
自然孔の確認を意識したことなかったので良い勉強になりました。そりゃあつまってるかみたいですよね。
アウトプットありがとうございます。
そうですね。冠状断像で見ると塞がる様子がよく分かりますね。
シェーマがいつもとても勉強になります。
自然孔は腫瘍の進展を考えるときにも役立ちそうですね。
臨床診断が基本とはいえ慢性副鼻腔炎と急性副鼻腔炎の画像上の鑑別の仕方もためになりました。
慢性では骨硬化するんですね。真菌では骨融解だと思うのですが、これは急性のときなのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>慢性では骨硬化するんですね。真菌では骨融解だと思うのですが、これは急性のときなのでしょうか。
慢性では骨硬化をすることがあります。真菌で骨破壊が起こるのは急性浸潤性ですね。真菌でも慢性で非浸潤性の場合は、骨硬化が起こります。