【顔面+α】症例25

【症例】60歳代 男性
【主訴】発熱、右耳下腺腫脹
【現病歴】肝硬変、食道静脈瘤にて当院かかりつけ。1ヶ月前に右の耳下腺炎で抗生剤治療を受け、10日程度で症状消失した。本日、発熱および右耳下腺の腫脹があり来院。
【身体所見】右耳下腺部腫脹あり。
【データ】WBC 9600、CRP 1.72

画像はこちら

右耳下腺から連続する壁の厚い液貯留あり。膿瘍腔を疑う所見です。

右耳下腺自体は外側に圧排され周囲の脂肪織濃度上昇を認めています。耳下腺炎を疑う所見です。

膿瘍腔は縦方向に長く、顎下腺レベルよりも尾側まで及んでいることがわかります。

サイズが大きく左右差が著明です。

また膿瘍腔の一部にガスを認めています。

冠状断像で上下方向に長い膿瘍腔であることが確認できます。

 

診断:右頸部膿瘍

 

※右耳下腺炎が完治していないところに、再発し膿瘍を形成したと考えられます。耳鼻科入院となり、膿瘍腔の切開・排膿及び抗生剤で加療され、10日後に退院となっています。

※膿瘍腔の培養からは、Klebsiella pneumoniae ssp.pneumoniaeが検出されています(4+)。

【顔面+α】症例25の動画解説


お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。