【顔面】症例14参考症例

【症例】8歳 男児
【主訴】左難聴
【現病歴】9ヶ月前耳かきにて受傷。以後、左難聴あり。

オージオグラム

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オージオグラムから見ていきましょう。

(国家試験以来見ていないので見方を復習しました(^_^;))

それぞれの記号の意味は以下の通りです。

今は×が低下していますので、左の気導聴力が低下しているということがわかります。

つまり左については、骨導聴力は正常で、気導聴力が悪いと言う状態ですので、伝音性難聴があるという状態です。

伝音性難聴の原因としては、中耳の感染症(中耳炎)、良性腫瘍(真珠腫)、鼓膜の損傷(鼓膜穿孔)、外傷、中耳・外耳奇形などがあります。

 

このことを踏まえて次にCTです。右側の横断像を見てみましょう。

正常な耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨)は横断像でこのようなアイスクリームとコーンのような位置関係に存在します。

次に左側の横断像を見てみましょう。

左側ではこのアイスクリームとコーンのような位置関係が失われており、ツチ骨・キヌタ骨間で離断していることが分かります。

左側ではツチ骨・キヌタ骨だけでなく、キヌタ骨とアブミ骨の連続性も失われており、離断していることが分かります。

 

診断:左耳小骨離断(ツチ骨・キヌタ骨、キヌタ骨・アブミ骨間)による伝音性難聴

 

※耳鼻咽喉科で手術(左鼓室形成術 Ⅲ-i)が施行されました。
※Ⅲというのは耳小骨再建法の分類で、アブミ骨上部構造に連鎖再建するのがⅢ型です。

【顔面】症例14参考症例の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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