【顔面】症例14

【症例】40歳代 女性
【主訴】頭部外傷
【現病歴】本日、自転車走行中に軽自動車と衝突し、受傷。救急搬送となる。
【身体所見】神経学的脱落症状なし。

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まずは横断像から見てみましょう。

右側頭骨に錐体骨の長軸に沿う方法に骨折線があり、縦骨折を疑う所見です。

また乳突蜂巣に一部液貯留を認めています。

左と比較すると右で乳突蜂巣は含気不良であることが明瞭です。

また左右差をよく見ると、ツチ骨とキヌタ骨の間に離開を認めています。

次に冠状断像を見てみましょう。

右で乳突蜂巣だけでなく、中耳・外耳道は含気不良で、液貯留を認めています。

外傷に伴う反応性の液貯留が疑われます。

左と比べると右ツチ骨・キヌタ骨間に離開を認めており、耳小骨離断が疑われます。

 

診断:右側頭骨骨折(縦骨折)+ツチ骨・キヌタ骨離断疑い

 

※保存的加療となり、疼痛など改善しましたが、受傷数日後より遅発性に右末梢性顔面神経麻痺を来しました。点滴治療され、今後手術治療も考慮の上、外来で経過観察となりました。

【顔面】症例14の動画解説

お疲れ様でした。

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今日は以上ですと言いたいところですが、救急ではない関連症例を用意しましたので、こちらから取り組んでみてください。