
【症例】50歳代 男性
【主訴】頭部打撲
【現病歴】本日自転車走行中にバランスを崩し転倒、頭部打撲し、救急搬送となる。
【身体所見】JCS0、左前頭部に擦過創あり。当初鼻出血があったが来院時は止まっている。複視なし。
画像はこちら
頭部CTが撮影されています。
頭蓋内出血や明らかな占拠性病変は認めていませんが、よく見ると前頭洞に高吸収を認めており、血腫の可能性があります。
骨折がないかを骨条件で見てみましょう。
thin sliceがないので見落としそうですが、血腫を疑う前頭洞の前壁に骨折線を認めています。
診断:前頭洞骨折(前壁)+前頭洞内血腫疑い
(同部は前頭骨ですので前頭骨骨折でもOKです。)
※経過観察目的で脳外科入院となるも、翌日CTでも頭蓋内出血を認めず、翌日退院となりました。ただし、今後慢性硬膜下血腫が出現する可能性あるので注意が必要とカルテに記載がありました。
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お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
外傷の際、皮下血腫や副鼻腔内の液体貯留、鼓室/外耳道内の液体貯留など副所見を丁寧にひろいあげることは、骨折を発見する上で大切だと考えています。
アウトプットありがとうございます。
>外傷の際、皮下血腫や副鼻腔内の液体貯留、鼓室/外耳道内の液体貯留など副所見を丁寧にひろいあげることは、骨折を発見する上で大切
おっしゃるとおりですね。
もともとある副鼻腔炎などとの鑑別が難しいこともありますが、それらをヒントに受傷部位や骨折線がないかを探すことは非常に重要ですね。
小さな骨折で見落としそうになりますね
皮下血腫がわかりやすいのでそれをヒントに骨折線を見つけることができました
3D再構成が欲しくなりますね
アウトプットありがとうございます。
>皮下血腫がわかりやすいのでそれをヒントに骨折線を見つけることができました
そうですね。皮下血腫や副鼻腔内の軟部影、出血が手がかりとなりますね。
>3D再構成が欲しくなりますね
外傷の場合はルーチンで作って欲しいところですが施設によるのかもしれません。
ただこの症例は骨折が軽微なので3Dでもわからないかもしれませんね。