【腹部TIPS】症例2 解答編

症例2

【症例】80歳代 男性 スクリーニング

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胆嚢壁はやや厚く慢性胆のう炎を伴っていることが推測されます。

中心部は低吸収で、その辺縁をリング状に石灰化を有する胆石を認めています。

このような結石は、コレステロール石あるいは混合石をカルシウム塩が包み込んだもので、混成石といいます。

胆石には以下のような種類があります。

このうちコレステロール胆石が60-70%を占めます。

ただし、純コレステロール結石、混合石の一部は、CTで見えないことがあるので、

CTで胆石が見えない→胆石は存在しない!とは言えないので注意が必要です。

例えばこの症例を見てみましょう。

50歳台男性の方です。

かの有名なメルセデスベンツサインを呈する胆石があります。

このメルセデスマークがあるので、上のように胆石(混合石)が存在するのだろうと推測することができます。

でも、このメルセデスマークがなければこの胆石は同定困難ですよね。
(※メルセデスマークの部分にはガスが存在すると言われています。)

一方で底部側の結石は、中心部に高吸収があります。
同部にカルシウムがあることがわかり、上のように胆石(混合石)が存在するのだろうと推測することができます。

でも、この石灰化がなければこの胆石は同定困難ですよね。

このように混合石の一部は、含まれる成分の配分により同定できないことがありますので、注意が必要です。

関連:胆石の種類とCTで見える胆石とその割合とは?

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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