【胸部】TIPS症例59
【症例】70歳代 女性
【現病歴】7年前に人工透析が導入されている。
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肺野のすりガラス影は何を見ている?
baseに上肺野優位に気腫性変化を認めています。
両側上葉に粗大な石灰化を認めており、その周囲には広範なすりガラス影を認めています。
すりガラス影は中葉舌区や下葉にも認め、小葉中心性の分布を示しているように見えるところもあります。
さて、このすりガラス影は何でしょうか?
慢性腎不全があり、7年前より血液透析中です。
このような場合に今回のようなすりガラス影や上葉優位な石灰化を認めた場合に考えるのは、異所性肺石灰化(転移性肺石灰化症)です。
診断:異所性肺石灰化(転移性肺石灰化症)
他にもいくつか所見があります。
両側腎萎縮があり、両側肋骨弓下の前胸壁に軟部影を認めています。
右肩関節や肩甲骨、肋骨周囲に一部で石灰化を有する軟部影を認めています。
これらの所見は、腎不全に伴うアミロイド沈着を疑います。
また両側肩甲骨の内側に凸レンズ状の筋肉と等吸収な軟部影を認めています。
弾性線維腫を疑う所見です。
弾性線維腫については、症例17で出てきましたね。
その他所見:
- 開胸術後。
- 肺動脈本幹の拡張あり。
- 冠動脈石灰化あり。
- 両側肩関節にOA変化あり。
【胸部】TIPS症例59の動画解説
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