【症例】50歳代 女性
【主訴】人の名前が出てこない。物品呼称ができない。
【現病歴】3年前から、主訴あり。
【身体所見】HDS-R 26点
画像はこちら
左の側頭葉の前方部（側頭極と呼ばれる）に萎縮が目立ちます。
前回の症例のように側頭葉内側には萎縮は認めておらず、萎縮を認めているのはここだけです。
また脳梗塞後や脳挫傷後などであれば同部にもっとgliosisなど高信号があるはずですので、それらの後の変化ではなさそうです。
このように左の側頭極に萎縮が目立ち、物品呼称ができないという症状がある場合に考えるべきが、意味性認知症です。
診断：意味性認知症の可能性あり。
関連：前頭側頭葉変性症(FTLD)とは？分類、症状、画像診断のポイントは？
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
意味性認知症…。初めて聞いた名前でした。
前回の症例で萎縮がわからなかったので、今回こそはと思い見たのですがわかりませんでした…。
注意してみるべき箇所を解説動画で学んだのでこれからは、それを踏まえてみていきたいと思います。
アウトプットありがとうございます。
今回はちょっとマニアックでしたね(^_^;)
萎縮に左右差があること、このような疾患があるということを体験いただいたら大丈夫です。
全く気付きませんでした…
むしろこんなに（教科書よりも？）教科書的な画像を見たことがなく、とても分かりやすく勉強になりました。
アウトプットありがとうございます。
難しかったですね・・・。こんなのもある程度で頭の片隅にお願いします。
症例の拡散協調画像で両側中脳が抜けているように見えるのはなぜでしょうか？
アウトプットありがとうございます。
おそらく11/48のあたりをおっしゃっているのだと思うのですが、こちらはT2WIでの低信号を拾っており、上小脳脚交叉（中脳下丘レベルにある両側の小脳視床路や赤核脊髄路の神経線維が交叉する領域）と呼ばれる部位であり、DWIで正常例でも今回のように淡く高信号を認められることがあります。
同様に大脳脚〜内包後脚の錐体路に異常ではない高信号を認めることがあります（こちらの方が有名ですが）。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/42738
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/34194
ＶＳＲＡＤ サイト内で検索しましたが 0件とでました。ソフトの名前らしいですね。
意味性認知症 の言葉さえ知らなかった。前頭側頭型認知症の勉強をしなおします。前世紀の遺物となったかな。困っちゃう。
海馬ばかりに目がいってました。委縮系の症例経験を重ね、しっかり見れるようになりたいです。解答見るとそうかと思うんですが・・・ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
萎縮の診断は非常に難しいですが、左右差と正常例との比較が重要ですね。
リンク先の知らない用語の嵐で頭から煙が出ました。
苦手で避けてきた分野なので、繰り返し確認してみたいと思います。
アウトプットありがとうございます。
画像だけでの診断は基本的にできないところですので、画像では典型例を見ていただけたらと思います。
どんどん進歩している分野は事あるごとにアップデートしないとついていけなくなりそうですね
アウトプットありがとうございます。
そうですね。細かな分類はさておき、大枠は今も昔もそんなには変わっていないと思います。