頭部画像診断 TIPS症例57

【頭部】TIPS症例57

【症例】70歳代 女性

多発性骨髄腫と診断されている。

画像はこちら

異常所見は?

頭蓋内出血や占拠性病変を疑う所見を認めていません。

次に骨条件を見てみましょう。

大小不同の多数の溶骨性病変を認めています。

その様子はスカウト画像でも確認できます。

多発性骨髄腫があり、これらは、いわゆるpunched-out lesionsの所見です。

 

診断:多発性骨髄腫による骨病変(punched-out lesions

 

胸腹部CTもありましたので、そちらも見てみましょう。

Th8に溶骨性変化および周囲に膨隆する腫瘍を認めています。

こちらも多発性骨髄腫による病変が疑われます。

 

関連:多発性骨髄腫とは?画像所見の特徴・punched out lesionとは?

【頭部】TIPS症例57の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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過去のコメント
  1. 多発性骨髄腫であることから溶骨性変化を考えなければならないのだとは思いますが、特に板間層の信号低下の場合は溶骨性の変化なのか、びまん性骨硬化像により相対的に正常部の信号が低く見えてしまうのか悩ましく感じました。
    (びまん性硬化像なのに、部分的に明らかな低信号という概念はないのかもしれませんが … )

    1. アウトプットありがとうございます。

      >びまん性骨硬化像により相対的に正常部の信号が低く見えてしまうのか悩ましく感じました。

      これは前の症例に少し引っ張られているような気もしますが(^_^;)

      punched-out lesionsは有名ですが、その目で見ないと見落としてしまいそうですね。

  2. 骨髄腫の、画像初めて見ました
    ありがとうございます。

    穴が空いている所は
    くも膜顆粒かな?と思いスルーしました。

    板間層が少しすりガラス影?のように見えました。
    これが骨髄腫の所見かと思ってしまいました。
    70代の方の板間層はこのように見えるのでしょうか…?

    また、一つ勉強になりました、
    ありがとうございます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      溶骨性病変は単なる血管のこともありますし、くも膜顆粒のこともありますので、判断が難しいこともありますね。
      サイズが大きなもので、くも膜顆粒ではないものは指摘するようにしましょう。

  3. 国試で勉強した時はもう少しわかりやすい写真でしたが、今回のような症例では事前情報がなければ一見見落としてしまいそうですね。