頭部画像診断 TIPS症例2

【頭部】TIPS症例2

【症例】70歳代女性

スクリーニング

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後頭骨の骨融解はなに?

後頭骨に分葉状の骨融解像を複数認めていることがわかります。

骨転移でしょうか?

それとも何かの骨腫瘍でしょうか?

同じ部位を観察すると、脳脊髄液と同じ高信号であり、髄液が存在することが分かります。

これは、くも膜顆粒と呼ばれる正常変異で、くも膜下腔と連続している突出構造です。

特にフォローの必要もありません。

 

診断:くも膜顆粒

 

その他所見:症例1で見た前頭骨内板肥厚あり。

関連:くも膜顆粒とは?役割は?CT・MRI画像はこれ!

【頭部】TIPS症例2の動画解説

 

お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。

過去のコメント
  1. くも膜顆粒という言葉は聞いたことがありましたが,あまりどういうものか理解できていませんでした.
    シェーマがわかりやすくて勉強になりました.

    1. アウトプットありがとうございます。

      >シェーマがわかりやすくて勉強になりました

      よかったです。
      CTでも日常臨床でもしばしば見られる正常変異ですので、

      「ほ、骨が溶けてる!!」

      と騒がないことが大事です。

  2. 骨嚢胞でもあるのかと思っていましたがくも膜下粒なのですね。TIPSでは知ってるようで知らないことによく気付かされます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      この正常変異は頻度が多いので注意してみてみてください。

  3. 以前、同様の所見を「骨溶解?、しかし、辺縁は硬化して悪そうにも見えないし…」と言うことで検索したことがあります。その時、くも膜顆粒が骨内に見えることがあることを知りました。

    1. アウトプットありがとうございます。

      くも膜顆粒は骨内や静脈洞内にもできますので、病変と間違えないように注意が必要ですね。

  4. 血管腫と思ってしまってました。
    携帯対応サイトはPCで見れなかったです。
    しばらくいろいろ試してみます

  5. T2WIで高信号だったので脂肪成分かなと思ってしまいました。撮影画像の13%に見られるという事ですが、今まで意識していなかったのかあまり見たことがありませんでした。くも膜顆粒から掘り下げて、脳脊髄液の働きや流れを勉強する良い機会になりました。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >撮影画像の13%に見られるという事ですが、今まで意識していなかったのかあまり見たことがありませんでした。

      そうですね。その目でみると結構な頻度で認めます。前頭骨内板肥厚と合わせて、骨条件にして見てみてください。

  6. この辺りはまだいけます(^◇^;)
    動画を見る余裕もあります。
    どこまでもつやらT^T

    1. いえいえ、そうおっしゃらずに完走してください。
      救急ではないので軽いものばかりです。

  7. くも膜顆粒、大変勉強になりました。ありがとうございます。
    頭部MRIはよく撮影されることがあるのですが、T1、T2、FLIARなどの関係性など、low、high、isoなど何を考えたら良いのか書籍をよんでもなかなかわからず、まとめ動画などありますでしょうか?もし可能でしたらご教授いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いします。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >T1、T2、FLIARなどの関係性など、low、high、isoなど何を考えたら良いのか書籍をよんでもなかなかわからず、まとめ動画などありますでしょうか?

      こればかりはさまざまなケースがありますので、簡単ではありません。

      代表的なものはこちらに記載しています。
      https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/7356

      また、T1WI、T2WIとはそもそも何なのかという基礎的な話はこちらの動画で解説しています。

      撮像シークエンスについてはまた今後動画を作っていきますね。

  8. とても勉強になりました。
    多発性骨髄腫のpunched out lesionともCTでは少し似ているように思えたのですが、鑑別点としてはどこに着目したら良いのでしょうか。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >多発性骨髄腫のpunched out lesionともCTでは少し似ているように思えたのですが、鑑別点としてはどこに着目したら良いのでしょうか。

      画像だけで単発では難しいことも多いかもしれませんね。
      punched out lesionは骨の皮質の破壊もしばしば来しますし。

      ですので、やはりそもそも多発性骨髄腫があるのかということと、あとは場所・形状(くも膜顆粒の場合は分葉状)が重要だと考えます。

  9. リンク先の図では静脈洞内にできてますが、この症例では硬膜を超えて
    頭蓋骨内の板間層に出来ているようにみえます。

    くも膜顆粒は骨内にもできるのでしょうか?

  10. 勉強になる症例ありがとうございます!
    質問なのですが、骨欠損と融解像の言葉の定義や使い分けはあるでしょうか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      >骨欠損と融解像の言葉の定義や使い分けはあるでしょうか?

      解説では、骨欠損および融解像と記載しているが融解像、溶骨性変化が用語としてはより正しいです。
      骨欠損とするともともと認めていない場合に使われることが多いと思います。修正します。