ロバート・キヨサキ氏が書いた「金持ち父さん貧乏父さん」という本は聞いたことがあると思いますが、それを読んだことがある医師はそれほど多い割合ではないかもしれません。
また、仮に読んだとしても、その内容をきちんと理解し、実行できる人は非常に少ないでしょう。
ここでは医師に応用する「金持ち父さん貧乏父さん」についてまとめました。
この記事の目次
4つのクアドラントとは?
金持ち父さん貧乏父さんでは、2人の父親が登場します。
1人は友人の父親で、学歴はないけれども金持ちである父さん、もう1人は主人公の実の父親で学歴はあるけれども貧乏である父さんです。
そして、驚くことにロバートは、学歴はあるけれども貧乏である職業の中に、「医師」という職業をしばしば挙げています。
ロバートは、この世の仕事をこのように4つに分けて説明しています。
医師のクアドラント
さて、医師はどこに所属するでしょうか?
正解は上のようになります。
常勤医やバイト医(常勤しながらアルバイトをしている医師も含める)は定められた給与の中で働いていますので、Employeeとなります。
いくら働いても、人より頑張っても基本的に給与は変わりません。
一方で、開業医は自分で事業を起こしていますので、Self Employeeとなります。
外来患者や入院患者、手術患者などを増やすことにより、収入を上げることもできます。
ただし、このEとSには、BとIとは異なり、共通している点があります。
それは、自分が働かないと収入は得られないという点です。
勤務医よりは、開業医でバリバリ頑張った方が、収入は上がるかもしれませんが、自分が頑張らなければなりません。
仮に、病気で1ヶ月休業すると、その途端に収入は途絶えてしまいます。
つまり、左側(EとS)は「自力で稼いでいる」ということです。
特に開業医をはじめとする自営業者に多いのが、何でも自分でやってしまうということです。
人に任せることができず、自分でやらないと気が済まない。
逆に言えば、責任感が強く、仕事が大好きというタイプも多いのです。
結果、すべて自分で抱え込んで精神的に潰れてしまうということも多くなります。
右側のクアドラント
一般的に、Eのクアドラントに所属する人は80%、Sのクアドランドに所属する人は14%と言われます。
つまり、94%が左側に所属しているのです。
一方で、Bのクアドラントは1%、Iのクアドラントは5%です。
この右側であるBとIに所属する人たちはどのような職業なのでしょうか?
BとはBusiness ownerであり、企業のオーナーやフランチャイズ店を持っている人です。
つまり、自分がいなくても、他人が稼いでくれる立場にある人です。
売値いくらのものをいくら売ったからいくらの利益だというEやSの人たちを束ねている人です。
医師の場合、開業医で他の医師を雇えば、Bの要素があると言えます。
さらには、自分は引退して、他の医師(雇われ院長)にすべて任せるようになると、ますますBと言えるでしょう。
そんな病院をいくつも保有し、自分は働かなくなると完全にBに所属すると言えます。
一方の、IとはInvestorであり、投資家のことです。
金融投資や不動産投資、事業投資により、収入を得てそれで生活している人たちのことです。
つまり右側(BとI)は
「他力で稼いでいる」=自分は不労所得(権利収入)
であるということです。
バランスの取れた人生を送るには?
ここからは、その人個人の自由です。
そこに正解はありません。
自分はずっと純粋な勤務医のみであり、左側でいいのだと言う人もいるでしょうし、右側に興味を示す人もいるでしょう。
また、右側に興味あるものの、右に移るための考えも思い浮かばないと言う人もいるでしょう。
医師は、仕事が好きな人が多いので、ここでは、完全に右側に移ろうというのではなく、一部を右側に移しましょうという話をします。
つまり、勤務医や開業医を続けながらでも、一部を「他力」で自分が働かなくても収入が入る仕組みを作るということです。
これは、頑張って作ろうとしないとできません。
ないものを形成していくわけですから敷かれたレールもありません。
しかし、そうしないと、何かあって自分が働けなくなった瞬間に収入が途絶えてしまいます。
医師が右側の要素をもつには?
医師が右側の要素を持っていくには、
- 自分のビジネスをする。
- 投資をする。
この2つの方法があります。
自分のビジネスを持つ
企業のオーナーになったり、フランチャイズを作ろうというのは普通の医師には無縁の話です。
株式や利息で安定的な収入を得ると言うのも基本的に非現実的です。
右側の要素というのは医師であっても簡単に持てるものではないのです。
1つのヒントとして、自分のビジネスを持つということです。
それは医師業以外でも構いませんが、それだとなかなかピンと来ない人も多いでしょう。
それならば、自分の専門分野の専門科としてのビジネスを持つというのはいかがでしょうか?
例として書籍を出すということです。
すると印税が貰えますし、講演の依頼も増えるようになり、次の仕事や書籍などに繋がり、自分のブランディングが形成され、上手くいけば正のスパイラルが生まれます。
その他、市民向けに講演をする、それをDVDに撮影して販売する。
これもビジネスであり、Bの要素が含まれます。
つまり、専門性を高めて、それと同時にそれを露出していくことにより、自分のブランドが形成され、ビジネスにすることができるということです。
それを、可能な限り「在庫なし・初期投資なし、利益率が高い、安定している」というモデルに置き換えていくことによりビジネスは加速させ、右側の要素を大きくしていくことができます。
もちろん上述のように、開業して、他の医師をどんどん雇っていくというのもBの考えです。
投資をする
不動産投資
医師業以外で、医師の場合、取り組めるのが不動産です。
ただし、医師の税金対策 不動産投資にも記載したように決して甘くありません。
安易に(たいして勉強もせず)手を出してしまうと、悪徳業者にカモにされるだけです。
しっかりと知識を持った上で取り組む必要があります。
医師の税金対策 不動産投資にも記載したように、医師は銀行がお金を貸してくれる職業であるということです。
お金を借りられるということは、実は最大の強みで、レバレッジを利かせて資産を作れるということで、
まさに「金持ち父さん貧乏父さん」の金持ち父さんがやっていたことです。
株をやりたいから、FXをやりたいからお金を貸してくれと銀行に言っても貸してくれません。
不動産だから貸してくれるのです。
FX
不動産投資は投資の中でも硬い投資だと言えます。
一方でFXは最悪ゼロになるリスクを抱えています。
以前私も溶かした(ゼロになった)経験があります・・・。
最近では、優秀な自動売買ツールがあり、私もそれを利用しております。
このように、医師が右側の要素を持ち、そこから収入を得るには、医師の専門知識・技術を雇われの身の仕事に使うだけではなく、ビジネスにしてしまうということ、そして、不動産のように医師である利点(お金を借りられる)を最大限に生かしたビジネスをするということが方法として挙げられるということです。