視神経周囲くも膜下腔の画像診断
- 鞍上槽から視神経に沿って眼窩内にもくも膜および視神経周囲くも膜下腔 perioptic subarachnoid spaceがのびており、くも膜下腔は眼球後面の乳頭部で盲端となって終わる。
- 視神経周囲にはくも膜下腔がある。そのため、頭蓋内圧亢進の際には視神経周囲の液体貯留が増加し、また、眼底では乳頭浮腫を認める。
- 左右も比較できる冠状断像での評価が有効である。視神経の太さは正常で3~4mm程度であり、視神経周囲の脳脊髄液腔は正常で0.5~0.6mmである。
- 冠状断像は、視神経周囲のくも膜下腔の評価にも適する。
- ただし、視神経周囲くも膜下腔の大きさには個人差がある。
- 特に、脂肪抑制T2強調像やshort-tauinversion recovery(STIR)像ではくも膜下腔の液体貯留が強調されるため、過大評価してしまう恐れがある。
- 視神経は眼窩内脂肪に囲まれているため、MRIのT1強調像およびT2強調像ともに腫瘍性病変の認識は容易である。
- 視神経炎、脱髄性病変の評価には脂肪抑制像(STIR法)が有用である。造影T1強調像には脂肪抑制が必須である。冠状断像での左右差や、視神経周囲の脳脊髄液の拡大などの所見を捉えることが有用。
関連記事:視神経炎のMRI画像所見のポイント