後腹膜腔とは(retroperitoneal space)

Meyers MA:Acute extraperitoneal infection.semi Roentgenol 8 : 445-464,1973を引用改変

  • 横隔膜下から骨盤部の体幹後部に位置する腹膜外腔(extraperitoneal space)の一部で、横筋筋膜(transversalis fascia)壁側腹膜(parietal peritoneum)との間に位置する空間である。
  • 上方は横隔膜側方は腰方形筋の側縁まで、下方は小骨盤腔の直腸周囲(仙骨前部)結合組織を含む。
  • 3つの筋膜により3つのコンパートメントに分けられる。つまり、前腎筋膜、後腎筋膜、外側円錐筋膜により、前腎傍腔、腎周囲腔、後腎傍腔に分けられる。
  • 3つのコンパートメントは互いに連続性がある。
  • さらに、前腎傍腔はSMA/IMA起始部で腸間膜さらに小腸、結腸と連続しており、後腎傍腔は頭側は横隔膜から縦隔と連続している。
  • また後横隔膜脚腔は後縦隔と連続している。

語句の整理

  • 前腎筋膜=anterior renal fascia,Gerota筋膜、Gerota筋膜前葉
  • 後腎筋膜=posterior renal fascia,Zunkerkandl筋膜、Gerota筋膜後葉
  • 外側円錐筋膜=lateroconal fascia
  • 前腎傍腔=anterior pararenal space
  • 腎周囲腔=perirenal space
  • 後腎傍腔=posterior pararenal space
  • 横筋筋膜=transversalis fascia
後腹膜腔の解剖にはまずはこれらの構造を覚えましょう。

後腹膜の解剖

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参考)
臨床画像2011年6月 後腹膜の解剖と画像 丹野啓介先生 自治医科大学付属さいたま医療センター
画像診断2011年10月 後腹膜腔のCT解剖 竹口隆也先生 三井記念病院
画像診断2005年6月 後腹膜再訪 荒川昭彦先生 熊本労災病院

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