腎周囲腔(perirenal space)とは?

腎周囲腔のイラスト・図

Meyers MA:Acute extraperitoneal infection.semi Roentgenol 8 : 445-464,1973を引用改変

  • 豊富な脂肪組織が存在し、腎と副腎を包み込んでいる。
  • 外側では前腎筋膜と後腎筋膜が癒合し閉鎖している。
  • 左右の腎周囲腔に直接の交通はないと言われている。ただし、SMA分岐レベルより下方では連続しているとの報告もある。
  • 上方では、右では肝bare area、左では横隔膜下面に連続している。
  • 下方は議論のあるところで閉鎖しているのかどうかについては結論が出ていない1)
症例 40歳代男性 左腎被膜下出血 造影CT矢状断像

perirenal space 腎周囲腔のCT画像矢状断像

腹部CTの矢状断像です。

左腎の皮質下出血の症例です。

前腎筋膜および後腎筋膜が明瞭化しています。

前腎筋膜と後腎筋膜は下の方で合流していますが、閉じているかどうかは結論づけられていません。

bridging septa

腎周囲腔は無構造な空間ではなく、結合組織性の隔壁によって区画され、血管やリンパ管とも交通している。この隔壁をbridging septaと呼ぶ。bridging septa

  • bridging septaは3種類あり、①腎被膜と腎筋膜、②前腎筋膜と後腎筋膜、③腎被膜と腎被膜をそれぞれ結ぶものがある。

※bridging septaは正常でもCTで認めることがあるが、腫瘍、炎症、出血などの病的状態で肥厚し、明瞭に認められる。腎周囲腔の血腫では、この隔壁のために腔内全体に充満せず、隔室内に限局した液体貯留を示すことが多い。

※腎外傷や大動脈瘤の破裂では、腎周囲腔だけでなく、前腎傍腔や後腎傍腔へも血腫が広がることあり。

症例① 60歳代男性 腎出血後

bridgingsepta

症例② 60歳代女性 腎被膜下出血(両側透析腎)

perirenal

 

参考)
1)画像診断2011年10月 後腹膜腔のCT解剖 竹口隆也先生 三井記念病院
画像診断2005年6月 後腹膜再訪 荒川昭彦先生 熊本労災病院
臨床画像2011年6月 後腹膜の解剖と画像 丹野啓介先生 自治医科大学付属さいたま医療センター

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