後腎傍腔(posterior pararenal space)
- 内側は大腰筋に接しており、左右の交通はない。
- 外側の外側円錐筋膜外の脂肪層は腹膜前脂肪層と連続している。これに沿って病変が前腹壁へ波及することがある。
- 尾側では体壁や脊椎へ病変が波及することがある。
- 上方は横隔膜、下方は骨盤部の腹膜外腔とつながっており、液体貯留やガス貯留の際の上下方向の交通路になる。
Meyers MA:Acute extraperitoneal infection.semi Roentgenol 8 : 445-464,1973を引用改変
後腎傍腔の病変
- 腎の後方の異常吸収域として認められ、後腎筋膜の肥厚や大腰筋輪郭の不鮮明化を伴う。腎周囲腔の脂肪組織は前方へ圧排される。
- 腎周囲腔の脂肪層正常+背側に液体貯留や腫瘤→後腎傍腔の病変が第一に疑われる。
しかし、
- 腎後方へ進展した腹腔内、
- 腎後方へ進展した前腎傍腔内、
- 腎周囲腔背側の隔室内、
- 下方へ進展した胸腔内 の病変の可能性もある。
関連記事
参考)
臨床画像2011年6月 後腹膜の解剖と画像 丹野啓介先生 自治医科大学付属さいたま医療センター
画像診断2011年10月 後腹膜腔のCT解剖 竹口隆也先生 三井記念病院
画像診断2005年6月 後腹膜再訪 荒川昭彦先生 熊本労災病院