ヨード造影剤の添付文書に記載ある「禁忌」「原則禁忌」「慎重投与」についてまとめました。
どういった場合に禁忌なのか、また原則禁忌なのか、そもそも原則禁忌とは何なのかについてまとめました。
ヨード造影剤が禁忌
- ヨードまたはヨード造影剤に過敏症の既往歴
- 重篤な甲状腺疾患
ヨード造影剤が原則禁忌
原則禁忌とは、本来禁忌であるが、診断や治療上どうしても必要な場合、慎重に投与する必要があるケースに使う。
つまり、ヨード造影剤を使うことにより得られる情報が、副作用のリスクを上回ると考えられる時に用いる。
原則禁忌に該当するのは以下のケース
- 一般状態の極度に悪い患者
- 気管支喘息:副作用の発現頻度が高い。
- 重篤な心障害:血圧低下,不整脈,頻脈等を起こす可能性がある。
- 重篤な肝障害:症状が悪化するおそれがある。
- 重篤な腎障害:排泄遅延から急性腎不全等を起こす可能性がある。
- マクログロブリン血症:静脈性胆嚢造影剤で血液のゼラチン様変化をきたし死亡した報告がある。
- 多発性骨髄腫:多発性骨髄腫の患者で特に脱水症状のある場合,腎不全(無尿等)を起こすおそれがある。
- テタニー
- 褐色細胞腫および疑い:血圧上昇,頻脈,不整脈等の発作が起こるおそれがある。
ヨード造影剤が慎重投与
- 本人または両親、兄弟に発疹、蕁麻疹などのアレルギー体質あり
- 薬物過敏症の既往歴
- 脱水症状
- 高血圧
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 甲状腺疾患
- 肝機能低下
- 腎機能低下
- 急性膵炎
- 高齢者、幼児
- 小児
※その他:妊娠中の女性、授乳中の女性、ビグアナイド系糖尿病薬の服用、βブロッカーの服用、小児
※ヨードアレルギーの既往がある患者:軽微な症状であり、前回使った薬名が分かっている場合はそれ以外のものを使用。重篤な副作用があった場合はもちろん禁忌。
参考)http://www.bayer-diagnostics.jp/static/pdf/auth/cm_faq/cm_faq_3.pdf