下垂体疾患
思春期早発症
先天性:過誤腫、くも膜嚢胞、hydrocephalus
悪性腫瘍:hypothalamus or optic chiasm
後天性:炎症、手術、外傷、放射線治療、膿瘍など
過誤腫
・視床下部灰白隆起に出来る。
・灰白質と同等の信号、T2WIでわずかに高信号を呈することがある。
・辺縁平滑な腫瘤。
・造影効果はなし。
・腫瘤の大きさは症状と相関あり。大きいほど痙攣。小さいものは思春期早発症。
多発性内分泌腫瘍(MEN)
・MEN1:甲状腺髄様癌、下垂体腫瘍、膵腫瘍
・MEN2A:褐色細胞腫、甲状腺髄様癌、副甲状腺機能亢進症
・MEN2B:甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進は見られない。
下垂体腺腫
・偶然発見される。
・機能性腫瘍の場合は30%前後はプロラクチノーマ。
・造影にてmicroadenomaの検出能が上がる。
・下垂体上縁の部分的な突出が手がかりとなる事があるが、非特異的。妊娠中や産褥期にはよく見られる。
・ダイナミック(10-15s間隔で撮影)をしないと10〜30%の微小腫瘍を見逃す。
・腺腫の中には正常組織と早期相は同じ造影効果を呈することがあるのでダイナミックする。
・10mm以上はmacroadenoma。ホルモン非産生性が多い。
・男性のプロラクチノーマは症状気づきにくい。性欲低下も気づきにくい。
・浸潤性は、トルコ鞍内の破壊、海綿静脈洞への進展をする。内頸動脈の海綿状脈洞部が50%以上取り囲んでいる場合は浸潤ありと言える。
・下垂体卒中は出血を伴うこと。下垂体腺腫の15%程度に出血が起こる事がある。微小、巨大いずれも下垂体腺腫にも出血が起こりうる。てんかん、視野欠損、意識低下という症状が起こる。
・下垂体卒中の典型的画像=二ボー像形成。
・下垂体卒中の急性期を乗り切ると、下垂体不全になることがある。
甲状腺疾患
甲状腺髄様癌
・MEN2型の一部だが、無関係に起こることがある。無関係が80%。
・神経内分泌腫瘍の1つで、カルシトニンを放出→カルシウム上がるが、他の甲状腺腫瘍に比べると軽微。
・甲状腺腫瘍の10%。
・MEN2型では発症年齢が若く、小児例もある。家族性もある。常優。
・エコーでは低エコーで辺縁不整。微小石灰化、血流豊富、脈管不整なパターン。
・CTやMRでは石灰化を有することがある腫瘤影。リンパ節転移などをチェックする。
・核医学は評価に有用。Octreotide、I131-MIBGを用いる。PETも利用される。PETは感度、特異度は80%。
・甲状腺乳頭癌にもFDG-PETは利用される。
・MRでは局所の進展を評価する事が大事。リンパ節転移(50〜70%に起こる。レベル6、内深頸リンパ節など。気管分岐部まで撮影する)も。
・15〜25%で転移する。肝、肺、骨。石灰化を伴うことがある。
副甲状腺腺腫
・MEN症候群に見られる。
・副甲状腺ホルモン産生。
・血流豊富な腫瘤。ドップラーで確かめることが大事。
・99mTc-MIBIでも2時間後に集積する。遷延性の集積が見られる。
・エコーとシンチが重要。
・4つの上皮小体がすべて大きければ過形成の可能性大。
・MRIのT2WIでは高信号を呈する。
・5-15%は異所性に起こるので、CTやMRは有用。下上皮小体は特に。発生に由来。下の方が移動距離が多い。下は下顎角から前縦隔に発生しうる。なので、この領域を含めた撮影が必要。
・1−3cm。5mm以下では画像では指摘困難。
・低濃度、低エコーなのは細胞に富むから。
・甲状腺内に副甲状腺腺腫ができることがある。