骨髄再転換(bone marrow reconversion)とは?

通常、骨髄は加齢とともに造血髄(赤色髄)が減少し、脂肪髄(黄色髄)へと置き換わっていきます。
造血髄とは血球成分を産生する骨髄であり、脂肪髄とは脂肪成分が主体となった骨髄を指します。

しかし、さまざまな要因で造血需要が増加すると、この変化が逆行し、脂肪髄が再び造血髄へ置き換わることがあります。
この現象は骨髄再転換(bone marrow reconversion)と呼ばれ、文脈によっては過形成骨髄(hyperplastic bone marrow)、造血髄化(hematopoietic marrow reconversion)、赤色髄化(red marrow reconversion)などと表現されることもあります。

脊椎では、赤色髄から黄色髄への生理的変化は若年期までに進行しますが、造血能が亢進すると、いったん脂肪髄化した骨髄が再び造血髄へと変化することがあります。

骨髄再転換の原因

骨髄再転換の背景には、生理的・反応性の変化と、病的な骨髄浸潤の両者がある。

1. 生理的・反応性の変化

以下のような状態では、造血需要の増加により骨髄再転換が生じることがある。

  • 慢性の高度貧血
  • 低酸素状態
  • 高エリスロポエチン血症
  • 喫煙
  • G-CSF製剤投与後
  • 持久系運動(長距離走など)
  • 骨髄線維症 など

2. 病的な骨髄浸潤

一方で、画像上は過形成骨髄や骨髄再転換に類似してみえても、実際には造血性悪性腫瘍の浸潤であることがある。代表的には以下が挙げられる。

  • 悪性リンパ腫
  • 白血病
  • 多発性骨髄腫

このため、画像診断では生理的・反応性変化としての骨髄再転換と、腫瘍性骨髄浸潤との鑑別が重要となる。

骨髄再転換(bone marrow reconversion)のMRI所見

  • 造血髄と脂肪髄の構成要素は水、脂肪、蛋白質がそれぞれ40%、40%、20%および15%、80%、5%である。したがって、T1値は造血髄>脂肪髄、 T2値はほぼ同等であり、造血髄化するとT1強調像で低信号として現れる。
  • したがって、脂肪髄の減少(椎体のT1WI低信号化)を認めたら、造血組織増生もしくは骨転移を考慮する。

椎体の骨髄再転換(bone marrow reconversion)のMRI所見

  • 脊椎骨髄の造血髄化(reconversion)では、T1強調像にて椎体の辺縁から中心に向かって信号の低下が認められる。
  • 逆にいえば、椎体の中心部は脂肪髄が残りやすい。正常であっても、椎体の中心部は脂肪髄化が強い。これは、intervertebral vein周囲に脂肪髄化が起こりやすいため。

症例 50歳代女性

骨盤骨、および近位大腿骨にT1低信号を認めています。

骨盤骨や椎体骨にもT1WIで低信号を認めていることがわかります。

STIR信号に明らかな変化は認めず、骨髄再転換(bone marrow reconversion)を疑う所見です。

 

症例 50歳代女性 子宮筋腫による重症貧血

仙骨や骨盤骨にびまん性に、大腿骨では骨幹端に低信号が広がっている様子がわかります。

正常例と比較するすると同じT1WIでびまん性に骨盤骨が低信号となっていることがわかります。

重度貧血を原因とした骨髄再転換(bone marrow reconversion)を疑う所見です。

 

↓この症例を動画でチェックする↓

関連記事:骨転移とMRIで診断してならない赤色髄と鑑別ポイント

放射線治療による脂肪髄化について

  • 放射線治療により放射線照射野に一致して脂肪髄化を認めることあり。
  • T1強調像にて照射開始3-6週間で不均一な信号上昇を認め、6-14週間で均一な高信号となる。照射開始後2週間ではT1強調像では明らかな信号変化が認められない。
  • STIRでは早ければ7日後より信号上昇する。

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