carotid web
- carotid webは、内頸動脈(ICA)の起始部に発生する薄い線状の膜。
- 内頸動脈に認めることが多いが、総頚動脈、椎骨動脈、鎖骨下動脈でも報告あり。
- 動脈壁の後方から内腔に向かって突出像を認める。
- 病理学的には線維化、平滑筋細胞の過形成、内膜の粘液変性が見られ、線維筋異形成症(FMD:fibromuscular dysplasia)の亜型(「内膜型」変異)と言われる。
- web部分に血栓形成リスクがあり、一過性脳虚血発作(TIA)や塞栓性脳梗塞の原因となる可能性がある。
carotid webの画像所見
- MRAやCTAで限局的なIntimal flapのような所見を呈するが解離ではない。
- 多方向からの観察が重要。
症例 65歳の女性が不安定な歩行と左顔面の感覚異常
引用:radiopedia
右内頸動脈起始部の後方壁に内腔への限局的な突出像が見られ、carotid webと診断されました。
症例
引用:AJNR Am J Neuroradiol. 2015 Nov;36(11):2134-9.
A→Bと8年間変化がなかったが抗血小板療法中に血栓が付着し(C)、ヘパリン治療がなされ元に戻った(D)症例。