傍横隔膜隆起サイン(juxtaphrenic peak sign)とは?
- 横隔膜がテント上に挙上するもので大きな肺容積減少を示唆する胸部レントゲンのサイン。Kattan signとも呼ばれる。
- 肺葉無気肺や上中葉の切除後、陳旧性結核などで大きな肺容積減少により横隔膜が挙上する。
- 右上葉切除後の70%、左上葉切除後の50%で見られる。
- もともと下葉に下副葉間裂やが存在する場所に生じる所見とされる。
傍横隔膜隆起サイン(juxtaphrenic peak sign)の画像所見
- 胸部XP正面像で、横隔膜の挙上の他に、横隔膜にテント上の陰影が認められる。横隔膜の内側1/3から上内方に向かう線状影として認める。
症例 60歳代男性
引用:radiopedia
左上葉無気肺の症例。レントゲンでややテント状の挙上があり、CT冠状断像でその様子が明瞭です。
傍横隔膜隆起サイン(juxtaphrenic peak sign)の所見です。
CTでは横断像でも該当部を指摘でき、下副葉間裂が顕在化していることがわかります。
症例 70歳代男性
引用:radiopedia
右上葉切除後の症例です。
右横隔膜中部のテント上挙上を認めています。
傍横隔膜隆起サイン(juxtaphrenic peak sign)の所見です。
参考文献:
- 臨床画像 Vol.35 No.12 2019 P1354
- 画像診断 Vol.40 No.11増刊号2020 P28
- 臨床画像 Vol.38 No.7 増刊号2022 P26
- ビギナーのための胸部画像診断 P38
- 新 胸部画像診断の勘ドコロ P70