胸腔内結石/胸腔内遊離体(Thoracolithiasis)
- 成因は複数考えられており、胸腔内もしくは心膜前脂肪組織の脂肪が血流障害などが原因で胸腔内に脱落したもの、陳旧性結核病巣や腹腔内脂肪腫、肺内のシリカ(silica)や炭粉をマクロファージが取り込んで形成したものなど。
- 頻度は0.086%と報告されている。
- 病理では中心部は脂肪壊死組織で線維性被膜で覆われている。
- 検診のCTなどで偶発的に発見されることが多い。
- 腹腔内遊離体(腹膜ネズミ)と同様に移動することが知られており、胸膜ネズミ(pleural mouse)とも呼ばれることがある。
- 肺野の石灰化結節と誤認されることも多い。
- 胸水や気胸を有する症例で胸腔内に突出する脂肪織を認めることがあり、pleural appendageと呼ばれ、胸腔内結石/胸腔内遊離体(Thoracolithiasis)の原因になると考えられている。
症例 50歳代男性
引用:radiopedia
右胸腔の胸水の中に石灰化を有する16mm大の結節を認めており、胸腔内結石/胸腔内遊離体(Thoracolithiasis)と考えられます。
参考文献:
- 臨床画像 Vol.37 No.4増刊号2021 P62
- 日呼外会誌 2014;28:809-15
- 人間ドック Vol.29 No.5 2015 P63-6