臼蓋骨(Os acetabuli)
- 臼蓋縁前上方〜外側に認めるaccessory bone(過剰骨、副骨)。
- 無症候者の2-3%に見られる。
- 癒合しなかった臼蓋の二次骨化中心や骨折、あるいは臼蓋関節唇が骨化したものと考えられている。
- 骨折により剥離した骨片と誤診しないように注意が必要。
- 正常解剖の臼蓋骨(寛骨臼)(acetabular bone)もos acetabuliも、日本語ではどちらも「臼蓋骨」と記載するので注意。(一般に「os~」と表現した場合はaccessory boneを指す)。
- 正常変異であるが、サイズが大きい場合はインピンジメント症候群の1つである大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement:FAI)の原因になる。FAIの二次所見とも言われる。
- 臼蓋骨(Os acetabuli)を認める部位に関節唇損傷を伴うとも報告されている。
- 関節唇の骨化は、外傷やくる病、骨髄炎、離断性骨軟骨炎などでも見られる。
症例 60歳代男性 骨盤痛
引用:radiopedia
両側臼蓋の辺縁に骨片を認めており、臼蓋骨(Os acetabuli)を疑う所見。
症例 50歳代男性
引用:radiopedia
右の寛骨臼の大きな未融合の二次骨化中心が、寛骨臼と一致して前上縁に位置している。臼蓋骨(Os acetabuli)を疑う所見。
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参考文献:
- 画像診断 vol.39 No.6 2019 P609-10
- 画像診断に絶対強くなるツボをおさえる! P110-1
- 画像診断 Vol.41 No.1 2021 P41
- 画像診断 Vol.34 No.3 2014 P300